フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「王弟妃殿下、なにか御用でしょうか?」
「書庫を見たいのですか、入ってもかまわないかしら?」
衛兵は顔を見合うと、少し困惑した様子を見せる。
「お一人では立ち入れない決まりとなっております」
「ええ。だから、侍女を連れて参ります」
「わかりました。内部は薄暗くなっております。足元にお気をつけください」
「ありがとう」
扉が開かれ、サフィアと一緒に塔へと入ると、そよそよと涼しい風が頬を撫でた。
「外は暑かったのに、ここはずいぶん涼しいわね」
「風の魔法で、室温を調整ているんですよ」
階段を上がりながら、サフィアが指し示す先を見る。天上には、風車のような羽根が取り付けられている。それがゆっくりと回転していた。
「あれも、魔法の応用なのね」
「はい。この塔には古代魔法の書が多く保管されています。そのため、室温や湿度に気を配っております」
「貴重な本を守るためなのね。ここにあるのは貴重な本ばかりなの?」
「いいえ。市井で流行る物語集などもあります」
「書庫を見たいのですか、入ってもかまわないかしら?」
衛兵は顔を見合うと、少し困惑した様子を見せる。
「お一人では立ち入れない決まりとなっております」
「ええ。だから、侍女を連れて参ります」
「わかりました。内部は薄暗くなっております。足元にお気をつけください」
「ありがとう」
扉が開かれ、サフィアと一緒に塔へと入ると、そよそよと涼しい風が頬を撫でた。
「外は暑かったのに、ここはずいぶん涼しいわね」
「風の魔法で、室温を調整ているんですよ」
階段を上がりながら、サフィアが指し示す先を見る。天上には、風車のような羽根が取り付けられている。それがゆっくりと回転していた。
「あれも、魔法の応用なのね」
「はい。この塔には古代魔法の書が多く保管されています。そのため、室温や湿度に気を配っております」
「貴重な本を守るためなのね。ここにあるのは貴重な本ばかりなの?」
「いいえ。市井で流行る物語集などもあります」