フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
私の提案を聞いたエドワード様は、ほんの少し眉間にシワを寄せた。
「危険な嘘ではないな?」
「はい。エドが夜に王妃の部屋へ向かうのを心配されているはずです。だから、国王様を喜ばせるお茶会の相談は女の務めだと説得したとするのです」
「なるほど、私を引き離す口実となるな」
「はい。その上で、いつまでもなにもできない妃では殿下のお立場を悪くするばかりだと伝えます」
「私に気を遣っている妃を演じるのか」
頷いたエドワード様は、小さく「悪くない」と呟いた。
「王妃は私とエドを引き離した上、弱みを握りたいと考えてるでしょうから。殿下に気を遣う弱い妃を演じた方がよいかと」
「……私の弱み、か」
ぼそりと呟いたエドワード様は、私をじっと見ると「そう簡単に、くれてなどやるものか」といって、私の髪を撫でた。
「どういう意味ですか?」
「……さて、それはさておきだ」
明らかに話を逸らしたエドワード様は、デイジーをちらり見た。
「昼間、デイジーに探りを入れてもらったんだが、この夜会には数人の令嬢が呼ばれている。そうだな、デイジー?」
「危険な嘘ではないな?」
「はい。エドが夜に王妃の部屋へ向かうのを心配されているはずです。だから、国王様を喜ばせるお茶会の相談は女の務めだと説得したとするのです」
「なるほど、私を引き離す口実となるな」
「はい。その上で、いつまでもなにもできない妃では殿下のお立場を悪くするばかりだと伝えます」
「私に気を遣っている妃を演じるのか」
頷いたエドワード様は、小さく「悪くない」と呟いた。
「王妃は私とエドを引き離した上、弱みを握りたいと考えてるでしょうから。殿下に気を遣う弱い妃を演じた方がよいかと」
「……私の弱み、か」
ぼそりと呟いたエドワード様は、私をじっと見ると「そう簡単に、くれてなどやるものか」といって、私の髪を撫でた。
「どういう意味ですか?」
「……さて、それはさておきだ」
明らかに話を逸らしたエドワード様は、デイジーをちらり見た。
「昼間、デイジーに探りを入れてもらったんだが、この夜会には数人の令嬢が呼ばれている。そうだな、デイジー?」