フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「なんでございましょうか?」
「エリザ様が夜の茶会に着ていったドレスよ」
「……え?」
「全く同じでなくてもいいわ。それを思い出させるものでいいの。お茶会まで十日しかないけど、出来るかしら?」
私のお願いに、拳を握りしめたサフィアは「お任せください」と告げた。
「どうするつもりだ、リリアナ?」
「ヴィアトリス王妃に、エリザ様の亡霊を見てもらいます」
「……また怖いことをいうな」
驚いた顔をしたエドワード様が、私の手を握りしめる。
「あまり無茶はしないでくれよ」
「大丈夫です。デイジーが側にいますから。ね、デイジー?」
「はい! 全力でリリアナ様をお守りします」
「心強いことだが……危険と思ったら、二人とも逃げることを考えてくれ」
逃げることをといわれ、視線を城の見取り図へと移した。たぶん、それは難しいわね。
ヴィアトリス王妃の怒りを買わず、話を聞き出すことが出来ればいいのだけど。
「エリザ様が夜の茶会に着ていったドレスよ」
「……え?」
「全く同じでなくてもいいわ。それを思い出させるものでいいの。お茶会まで十日しかないけど、出来るかしら?」
私のお願いに、拳を握りしめたサフィアは「お任せください」と告げた。
「どうするつもりだ、リリアナ?」
「ヴィアトリス王妃に、エリザ様の亡霊を見てもらいます」
「……また怖いことをいうな」
驚いた顔をしたエドワード様が、私の手を握りしめる。
「あまり無茶はしないでくれよ」
「大丈夫です。デイジーが側にいますから。ね、デイジー?」
「はい! 全力でリリアナ様をお守りします」
「心強いことだが……危険と思ったら、二人とも逃げることを考えてくれ」
逃げることをといわれ、視線を城の見取り図へと移した。たぶん、それは難しいわね。
ヴィアトリス王妃の怒りを買わず、話を聞き出すことが出来ればいいのだけど。