フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「私は君の十も年上だ。親子とまではいかないが、十八の娘から見たら若くもない。その上、二度目の結婚……」
私の髪を撫でながら、少し苦笑するエドワードは「こんなことを話すのも情けないな」と呟く。
「君が強くあろうと輝けば輝くほど、自分の無力を思い知る」
「無力だなんて、そんなことは」
「五年かけて、エリザの死の真相に辿り着けなかった男だ。情けないだろう」
「それは、ヴィアトリス王妃が巧みに隠していたから」
なにも、情けないことなんてないのに。
エリザ様のことを調べようとしたら、ヴィアトリス王妃が邪魔をしたのは容易に想像がつくわ。執務だってあっただろう。王弟として視察に行くことや外交だって。それに、命を狙われたこともあったかもしれない。
「……一人でできることには限りがあります」
私を見つめるエドワード様の瞳が優しく揺れる。
「ああ、知ってる。だから、リリアナ……一人で飛び込もうとする君が心配で仕方ない。君を送り込むしかない、己の不甲斐なさに嫌気がさす」
「エド……」
「それでも、君を守りたいという気持ちに嘘はない。失いたくない」
私の髪を撫でながら、少し苦笑するエドワードは「こんなことを話すのも情けないな」と呟く。
「君が強くあろうと輝けば輝くほど、自分の無力を思い知る」
「無力だなんて、そんなことは」
「五年かけて、エリザの死の真相に辿り着けなかった男だ。情けないだろう」
「それは、ヴィアトリス王妃が巧みに隠していたから」
なにも、情けないことなんてないのに。
エリザ様のことを調べようとしたら、ヴィアトリス王妃が邪魔をしたのは容易に想像がつくわ。執務だってあっただろう。王弟として視察に行くことや外交だって。それに、命を狙われたこともあったかもしれない。
「……一人でできることには限りがあります」
私を見つめるエドワード様の瞳が優しく揺れる。
「ああ、知ってる。だから、リリアナ……一人で飛び込もうとする君が心配で仕方ない。君を送り込むしかない、己の不甲斐なさに嫌気がさす」
「エド……」
「それでも、君を守りたいという気持ちに嘘はない。失いたくない」