フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「さあ、お掛けなさい。他にお呼びした令嬢たちを、紹介しましょう」

 席に座っていた三人の令嬢が静かに立ち上がった。

「ノーブル子爵家クラリッサ嬢」と紹介された花柄のドレスを着た令嬢が静かに淑女の挨拶を披露する。私と同じくらいの年頃だろう。
 次いで「セルダン子爵家マリアンヌ嬢」と紹介された令嬢も、同じくらいの年頃で、素朴な印象だ。顔を上げた二人は、少し緊張した面持ちで私を見ている。

「二人とも、リリアナと年の頃が近いのよ。仲良くして差し上げて」
「こちらこそ、よろしくお願いします。アルヴェリオンのことは知らないことばかりなので、色々と教えてくださいね」
「身に余る光栄でございます、リリアナ様」

 ほっと安堵の吐息をついた二人は、もう一度ドレスの裾を持ち上げ、腰を屈めた。それを見て微笑むヴィアトリス王妃は、ピンクのドレスを身にまとった令嬢に歩み寄った。

「もう一人、いらしてよ。こちらはパスカリス侯爵家のディアナ嬢」
「お初にお目にかかります、王弟妃殿下」

 先に紹介された子爵家の令嬢たちとは異なり、私の目を真っすぐに見る彼女の瞳には、なにか決意めいたものがあった。
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