フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「デズモンドにしかない果物もあるのですね」
返す言葉に困っていると、マリアンヌが無邪気に話しかけてくれた。その瞳は純粋そのもので、思わずほっと息をついてしまった。
「……そのようですね。アルヴェリオンでは、どういった果物が好まれるのですか?」
「今はアンズが食べごろですわね。セルダン領ではアンズの栽培を行い、お酒にしております」
「もう少ししたら葡萄が食べごろですわ。ノーブル領では、葡萄酒を作っております」
二人の令嬢がそろって「リリアナ様にご賞味いただきたいです」というと、ヴィアトリス王妃は楽しそうに笑って「仲のよいこと」と呟いた。
二人のお陰で会話に和やかさを取り戻せたと思った時だった。ふわりと嗅いだことのない香りが漂ってきた。
なんの香りかと首を巡らせると、侍女が一人、銀の香炉を持ってきた。
「王妃様、香でございますか?」
「ええ。リリアナの緊張がまだ解けないようなので、気持ちが楽になる香を焚かせたのよ」
テーブルに置かれた香炉から、ゆらりと立ち上がる煙がくねるように天井へと向かっていく。
返す言葉に困っていると、マリアンヌが無邪気に話しかけてくれた。その瞳は純粋そのもので、思わずほっと息をついてしまった。
「……そのようですね。アルヴェリオンでは、どういった果物が好まれるのですか?」
「今はアンズが食べごろですわね。セルダン領ではアンズの栽培を行い、お酒にしております」
「もう少ししたら葡萄が食べごろですわ。ノーブル領では、葡萄酒を作っております」
二人の令嬢がそろって「リリアナ様にご賞味いただきたいです」というと、ヴィアトリス王妃は楽しそうに笑って「仲のよいこと」と呟いた。
二人のお陰で会話に和やかさを取り戻せたと思った時だった。ふわりと嗅いだことのない香りが漂ってきた。
なんの香りかと首を巡らせると、侍女が一人、銀の香炉を持ってきた。
「王妃様、香でございますか?」
「ええ。リリアナの緊張がまだ解けないようなので、気持ちが楽になる香を焚かせたのよ」
テーブルに置かれた香炉から、ゆらりと立ち上がる煙がくねるように天井へと向かっていく。