フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「甘い香を焚き、男を惑わせる……そうして、食べてしまわれるんでしょ?」
「そのようなことはありません。誤解です」
「本当にそうかしら。リリアナ様が知らないだけでは? ご結婚といっても、殿下とは名ばかりの政略結婚ではなくて」
くすくす笑ったディアナは、蜜にまみれた果物を指でつまむと、それを口に運んだ。そうして、舐るように指先を咥えると、妖艶な笑みを浮かべた。
ぞわぞわと背筋が震え、耐えられずにブローチを握りしめると、子爵家の二人が声を上げた。
「ディアナ様、なんてはしたない。失礼ですわよ!」
「そのようなお話、王妃様とリリアナ様の前でされるものではございません!」
「あら、でも魔族ってそういう生き物でしょ? 成人した女は皆、娼婦になるって聞いたわ」
「リリアナ様を侮辱されるのですか!?」
「王妃様、今すぐパスカリス侯爵令嬢にご退出いただきとうございます!」
二人が立ち上がり訴えると、ヴィアトリス王妃は別段取り乱す様子もなく微笑んだ。
「文化の違いで誤解をすることもあるでしょう」
「そのようなことはありません。誤解です」
「本当にそうかしら。リリアナ様が知らないだけでは? ご結婚といっても、殿下とは名ばかりの政略結婚ではなくて」
くすくす笑ったディアナは、蜜にまみれた果物を指でつまむと、それを口に運んだ。そうして、舐るように指先を咥えると、妖艶な笑みを浮かべた。
ぞわぞわと背筋が震え、耐えられずにブローチを握りしめると、子爵家の二人が声を上げた。
「ディアナ様、なんてはしたない。失礼ですわよ!」
「そのようなお話、王妃様とリリアナ様の前でされるものではございません!」
「あら、でも魔族ってそういう生き物でしょ? 成人した女は皆、娼婦になるって聞いたわ」
「リリアナ様を侮辱されるのですか!?」
「王妃様、今すぐパスカリス侯爵令嬢にご退出いただきとうございます!」
二人が立ち上がり訴えると、ヴィアトリス王妃は別段取り乱す様子もなく微笑んだ。
「文化の違いで誤解をすることもあるでしょう」