フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「愛を語っても、所詮はまがい物よ。リリアナ様は魔族の女だもの。男を前にしたらすぐに、はしたなく体を許すに決まってるわ。私とは違う!」

 部屋がしんと静まり返った。

 どう考えても、ディアナの様子はおかしい。もしかして、紅茶に興奮剤でも入っていたのかしら。あるいは、香になにか仕込まれていたのかもしれない。

 王妃の扇子がパチンと音を立てて閉ざされた。

「ディアナ、少し落ち着きなさい」
「王妃様! これではあんまりですわ。今日は、リリアナ様の歓迎会だとお聞きして、参上いたしました」
「私もです! このような不適切な話、気分が優れません。ディアナ様には、ご退出願います!」
「クラリッサ、マリアンヌ。落ち着きなさい。ご覧なさい、リリアナは静かに傾聴しているわよ。これでこそ、王弟妃だと思いませんか?」

 静かに語るヴィアトリス王妃が私に視線を送ると、興奮していた二人の子爵令嬢もこちらを見た。

 静観していた訳ではない。
 この状況を、どう利用すればいいのか考えていただけよ。
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