フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「このようなこと、国王陛下に知られたら一大事にございます!」
「おやめください、王妃様!」
「あら、どうして国王陛下が知ることが出来るのかしら? ここにいるのは、私の侍女とあなたたちだけなのに」

 ヴィアトリス王妃の目がすっと細められた。そうして、扇子を揺らしながら「ガルエン卿を呼びなさい」と告げる。

 ディアナの顔が醜悪な笑みに染まり、侍女たちがドアを開けると、数名の騎士たちが部屋に入ってきた。

 謀られた。
 きっと、はじめからディアナを使って、私たちを穢すつもりだったのだ。

「クラリッサ嬢、マリアンヌ嬢、お逃げなさい!」

 立ち上がり、子爵令嬢二人を逃がそうとしたその時、なだれ込んできた騎士たちの手が伸びてきた。仰ぎ見ると、焦点の合わない瞳が私を見下ろしている。

 きっと、この騎士たちも薬を使われ、操られているんだわ。

「やめなさい! 王妃様の御前よ!」

 マリアンヌが顔を青ざめさせながら叫び、クラリッサは後ずさった。
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