フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~


 ロベルト王の頬を涙が伝い落ちた。その直後、緑の瞳がギラリと輝き、ヴィアトリス王妃の手首をねじり上げた。

「そなたの所業、全て見させてもらった」
「陛下、なにをおっしゃっていますの? 私はなにも──!?」

 ヴィアトリス王妃が無実を訴えようとした時だった。
 壁に、醜悪な顔で笑う王妃の姿が映し出された。

『おかしなことをいう。私は真実しか語らない』
『では、お聞きします。なぜ、このような茶会を開かれたのですか?』
『下賎な女どもここへ呼び、魔族の小娘を陥れるため芝居をうつためよ。騎士達をたぶらかし、金を握らせ、女達を手込めにせよと命じた。このような醜態、外に知られでもしたら、嫁ぎ先もなくなろう?』
『そのようにして……エリザ様も陥れたのですね?』
『泣きながら、許しを請う姿は滑稽だったわ。まさか、塔から身を投げるとは思わなかったけど』

 エドワード様の手に握られるブローチから溢れ出た輝きが、今しがた交わした会話を、再び繰り返した。

 舞い散る赤い魔力の花びらの中、王妃の高笑いがこだました。
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