フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「兄上……」
「エドワード、本当にすまないことをした。何度謝っても、謝り切れない」
「よしてください。兄上は、ヴィアトリスに魔法薬を飲まされていた……そうですよね?」
「……そうだが、気付こうと思えば気付けたはずだ。私の甘さが、エリザを死に追いやった」
「兄上。そうだとしても、私は兄上を憎んだり、恨み言をいうなどできません」
「恨まれた方がどんなに楽か。……すまない。憎しみを繰り返すのが愚かなことくらい、わかっておる」

 苦笑を浮かべたロベルト王は、私を見て微笑んだ。

「リリアナ、君にも謝りたい。アルヴェリオンの問題に巻き込んでしまったにも関わらず、エドワードと共に、私と国を救ってくれて、本当に感謝している」
「陛下。私はエドワード様の薔薇として、当然のことをしたまででございます」
「そうか……フェルナンドの薔薇は、エドワードの薔薇となったのだな」
 
 目を細めたロベルト王はカップに口をつけると、ほっと安堵の吐息をついた。
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