フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「街中では目立ってしまいそうね」
「こちらの流行りは、どんなものでしょうね?」

 少し首を傾げるデイジーの横で、お茶を淹れてくれていた侍女──私の話し相手にと選ばれた侯爵令嬢のサフィアが「季節の色を取り入れてはどうですか」といった。

「季節の色?」
「この時期は、ヒマワリの花を思わせる黄色や、夏空のような鮮やかなドレスがよろしいかと思います」

 差し出されたカップを受け取り、ふと窓の外を見る。そういえば、庭でもヒマワリが咲いていたわ。

「下級貴族はレースが使えませんので、リボンをあしらったり、刺繍が施されたものをお召しになるのはいかがでしょうか」
「……私に合うものはあるかしら?」
「お任せください。ご用意します。デイジーさんも、手伝ってくださいますか?」
「もちろんです!」
「では、リリアナ様、しばらく、こちらでお待ちください」

 長椅子の上を整えたサフィアは、私がそこへ腰を下ろすと、湯を張ったタライをデイジーと持ち上げた。

 部屋を退出した二人は、カップの紅茶が空になる頃、ドレスや帽子を抱えて戻ってきた。
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