フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 並べられたトルソーにドレスが三着、次々にかけられていく。

 一つ目は、真っ青なドレスに白のリボンがあしらわれているシンプルなものだ。二つ目は、シロツメクサの花が刺繍された緑のドレス。最後はリボンで飾られたヒマワリを思わせる黄色いドレスで、裾に可愛らしい小鳥が刺繍されている。

 どれも派手ではなく、ふわりと風に舞いそうな優しいデザインだわ。

 これが、アルヴェリオンでいう夏の色なのね。
 デズモンドのドレスは重厚で、華やかであればあるほど良いとされている。優しい風合いは赤子や幼児の着るものに多かったし、季節の色を意識した装いなんてなかったから不思議な感じだわ。

「お気に召すものはございますか?」
「……どれも、着たことのない色で抵抗があるわ」
「リリアナ様なら、きっとどれも似合いますよ!」

 質問に戸惑っていると、デイジーが期待に満ちた笑顔で、サフィアを見て同意を求めるように「ねえ、サフィア」といった。二人は一ヶ月で、ずいぶん仲がよくなったみたい。

「私もそう思います。ダンスレッスンでお疲れだとは思いますが、一度、着てみませんか?」
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