フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
ヴァレリー辺境伯様の御子息は私の三つ上だけど、まだご婚約をされていない。何かと問題の多い領地だから、嫁がせる令嬢の選出が難しいのだろうという噂だ。
あの辺りは、一段と狂暴な魔物のいる山々がある。嫁ぐ令嬢だって、それなりに強くないといけないだろう。
「私、戦闘には自信がないわ」
「トリメイン公爵様にもご子息がいらっしゃいますわ」
「……トリメイン公爵様の御子息は、お茶会でお話しをしたことあるけど、物静かな方だったわ。たぶん、私とは話が合わないんじゃないかしら」
「お嬢様の美しさを前に、緊張されていただけかもしれませんよ」
「デイジーは、褒め上手ね」
次々に、縁談に上がりそうな貴族令息の名を挙げ、ああでもないこうでもないと話していると、少しだけ心が軽くなった。
デイジーのお喋りと笑顔を見ると、彼女がついていたら大丈夫って思えるから不思議よね。
魔王様は、きっと私のために考えて下さっている。そう信じて王城へ参じた私に下されたのは──
「リリアナ・フェルナンド、そなたにはアルヴェリオン王国の王弟エドワードに嫁いでもらう」
アルヴェリオン国って……人族の国!?
あの辺りは、一段と狂暴な魔物のいる山々がある。嫁ぐ令嬢だって、それなりに強くないといけないだろう。
「私、戦闘には自信がないわ」
「トリメイン公爵様にもご子息がいらっしゃいますわ」
「……トリメイン公爵様の御子息は、お茶会でお話しをしたことあるけど、物静かな方だったわ。たぶん、私とは話が合わないんじゃないかしら」
「お嬢様の美しさを前に、緊張されていただけかもしれませんよ」
「デイジーは、褒め上手ね」
次々に、縁談に上がりそうな貴族令息の名を挙げ、ああでもないこうでもないと話していると、少しだけ心が軽くなった。
デイジーのお喋りと笑顔を見ると、彼女がついていたら大丈夫って思えるから不思議よね。
魔王様は、きっと私のために考えて下さっている。そう信じて王城へ参じた私に下されたのは──
「リリアナ・フェルナンド、そなたにはアルヴェリオン王国の王弟エドワードに嫁いでもらう」
アルヴェリオン国って……人族の国!?