フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「王立魔術学院だ。国内外から優秀な魔術師が集まり、研鑽する場だよ」
「魔術学院……魔術師が集まるということは、子どもの学び舎ではないのですか?」
「ああ。魔術師の資格を得た上で入学試験を受ける必要がある。ここは魔術の研究機関が主だ」

 エドワード様の話しに、アルヴェリオンとデズモンドの差を感じ、瞬きを忘れて窓の外を見た。

「研究機関……。デズモンドにも様々な養成機関がありますが、これほど大きな研究機関はありません」

 そもそも、デズモンドは戦うための養成機関が主だ。
 魔術師もいるけど、そのほとんどが一子相伝の魔法を守っている。共に研究をするなど、聞いたことがない。

「古代魔法を活用することで、庶民も豊かになるからね。その研究が進められている」
「庶民も?」
「ああ。例えば、あの街灯」

 エドワード様が指さしたのは、通りに並ぶ支柱だった。その先端にはランタンが下がっている。
 あんな高いところに下がるランタンへ、どうやって火を灯すのか気になっていたのよね。
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