フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「リリアナは、デズモンドを愛しているんだね」
「……そうなのでしょうか?」
「国を憂いるということは、そういうことだ。いつか、同じようにアルヴェリオンも愛して欲しい」
「アルヴェリオンも……」
予想外な言葉に、ただただ驚いて目を見開いた。
そうよね。私は嫁いできたんだもの。
これからはアルヴェリオンで生きるのだから、デズモンドと同じくらい、この国の未来を考えなければならないんだわ。
「……そうですよね。両国とも幸せにならないと」
「そのための和平条約だ。私たちで、両国を残していくんだよ」
私たちでという言葉が、胸に響く。
握り合う手を見つめ、心が穏やかになっていくのを感じた。
「エドワード様……私は、すぐ考え込んでしまいます。デズモンドのこと、私自身のこと……そのたびに、こうしてご迷惑をおかけすると思いますが」
「迷惑なんてことはないよ」
「……そうでしょうか?」
「ああ、君の素直な気持ちを、これからも教えてほしい。私たちは、お互いなにも知らないのだから」
お互いになにも知らない。
本当にそうだ。私だって、エドワード様のことをなにも知らない。
「……そうなのでしょうか?」
「国を憂いるということは、そういうことだ。いつか、同じようにアルヴェリオンも愛して欲しい」
「アルヴェリオンも……」
予想外な言葉に、ただただ驚いて目を見開いた。
そうよね。私は嫁いできたんだもの。
これからはアルヴェリオンで生きるのだから、デズモンドと同じくらい、この国の未来を考えなければならないんだわ。
「……そうですよね。両国とも幸せにならないと」
「そのための和平条約だ。私たちで、両国を残していくんだよ」
私たちでという言葉が、胸に響く。
握り合う手を見つめ、心が穏やかになっていくのを感じた。
「エドワード様……私は、すぐ考え込んでしまいます。デズモンドのこと、私自身のこと……そのたびに、こうしてご迷惑をおかけすると思いますが」
「迷惑なんてことはないよ」
「……そうでしょうか?」
「ああ、君の素直な気持ちを、これからも教えてほしい。私たちは、お互いなにも知らないのだから」
お互いになにも知らない。
本当にそうだ。私だって、エドワード様のことをなにも知らない。