フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「後で、細かい使い方を教えよう。きっと、君の役に立つときがくる」
「このブローチがですか?」
オモチャのようにしか思えないこのブローチが、なんの役に立つのだろうか。例えば、諜報活動をするというなら便利だろうけど。
首を傾げていると、エドワード様の表情が真剣なものになった。
エドワード様は一度、深い息を吐くと私の名を呼んだ。いつもの優しい声音ではない。なにかを警戒するような、厳しい声。
「リリアナ……城には君を惑わす悪魔がいる」
「悪魔、ですか?」
「このブローチを君が使えば、私のが反応する。危険を感じたら、迷わず使ってくれ」
つまり、このブローチは映像を記録するだけでなく、私の危機をエドワード様に知らせるためのものなのね。
「……悪魔というのは、魔物ですか?」
「そうではないが」
私の手を強く握りしめたエドワード様はいい淀むと笑って誤魔化した。
「ただの用心だ」
ここでは話せないということかしら。
「このブローチがですか?」
オモチャのようにしか思えないこのブローチが、なんの役に立つのだろうか。例えば、諜報活動をするというなら便利だろうけど。
首を傾げていると、エドワード様の表情が真剣なものになった。
エドワード様は一度、深い息を吐くと私の名を呼んだ。いつもの優しい声音ではない。なにかを警戒するような、厳しい声。
「リリアナ……城には君を惑わす悪魔がいる」
「悪魔、ですか?」
「このブローチを君が使えば、私のが反応する。危険を感じたら、迷わず使ってくれ」
つまり、このブローチは映像を記録するだけでなく、私の危機をエドワード様に知らせるためのものなのね。
「……悪魔というのは、魔物ですか?」
「そうではないが」
私の手を強く握りしめたエドワード様はいい淀むと笑って誤魔化した。
「ただの用心だ」
ここでは話せないということかしら。