寡黙な消防士は秘密の娘ごと、復讐を終えた妻を溺愛する
希美ちゃんを偶然見つけ出し、遠くから彼女の姿を見守り続けてどのくらいの時間が経過しただろう?
あの子と会話をする機会は、ある日突然訪れた。
それは仕事中、火災現場に到着した直後のことだ。
見知らぬ女性に抱きかかえられて泣き叫ぶ、希美ちゃんの娘がいることに気づく。
「うわあん! まま! ままー!」
「大丈夫。お母さんは、消防士さんが助けてくれるからね!」
女性は必死に子どもをあやしているが、少女は轟々と燃え盛る炎にも負けない金切り声で泣き叫んでいた。
「すまん。内部の様子を知りたい。少し席を外す」
「た、隊長!?」
その様子を見かね、俺は同僚に一言断ってから2人の元へ脚を運んだ。
「すみません。消防士の片平と申します。お話をお聞かせ頂けますか」
「それはもちろん、構わないけど……」
「この子は、お知り合いですか」
「いや。フードコートにお母さんと一緒にいたんだけど、どんなに声をかけても動いてくれなかったんだ。それで、子どもだけでも助けなきゃと思って……」
女性は燃え盛る商業ビルに、視線を向ける。
あの子と会話をする機会は、ある日突然訪れた。
それは仕事中、火災現場に到着した直後のことだ。
見知らぬ女性に抱きかかえられて泣き叫ぶ、希美ちゃんの娘がいることに気づく。
「うわあん! まま! ままー!」
「大丈夫。お母さんは、消防士さんが助けてくれるからね!」
女性は必死に子どもをあやしているが、少女は轟々と燃え盛る炎にも負けない金切り声で泣き叫んでいた。
「すまん。内部の様子を知りたい。少し席を外す」
「た、隊長!?」
その様子を見かね、俺は同僚に一言断ってから2人の元へ脚を運んだ。
「すみません。消防士の片平と申します。お話をお聞かせ頂けますか」
「それはもちろん、構わないけど……」
「この子は、お知り合いですか」
「いや。フードコートにお母さんと一緒にいたんだけど、どんなに声をかけても動いてくれなかったんだ。それで、子どもだけでも助けなきゃと思って……」
女性は燃え盛る商業ビルに、視線を向ける。