それも、初恋。。
「お前、ホントは理科の教科書持ってんだろ?」
「……」
 持っていた。悪いことをした。

「んでたぶん、早坂りんちゃんって子は、お前のことが好きだぜ。最近、汐見は女子たちの間で第二の直太君的状況に巻き込まれつつあるんだよ。可哀そうに」

「何それ?」
 首を傾げたら、めっさ大きなため息を吐かれた。

「先週の昼休みにさー、階段の踊り場で、汐見が目くりくりで髪さらっさらな超可愛い女子に悩み相談されてるとこ目撃したぞ。『橘君と仲良くなりたいから協力してほしいのぉ~』的なこと言われてたぞ」

「……そんなん断ればいいのに」
 はあ。と、更に盛大なため息が返ってくる。

「わかってねーなぁ。思春期の女子ってのは、ま~じ~で、いろいろめんどくせーんだぞーって、モテねー兄ちゃんが言ってた。それにさー」

 直太が情けなーい顔で、ダメ押しのため息を吐く。

「断れねーのがオレと汐見なんだよなー、これが」

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