悪魔的生徒会長が妙に甘いのですが、これはどういうことでしょう??
入学して数か月が経つが、わたしのクラスでの認知度は30%といったところだろう。
残り70%は「ハラミチル? 誰それうちのクラスにそんな名前の人いたっけ?」状態のはずだ。
例えばこの前の体育の時間。
先生からペアを作れという指示がされたが、わたしだけペアの相手が見つからないのはもちろん、一人残ったことにすら気付いてもらえなかった。
その流れでナチュラルにサボってみたけれど、とうとう最後までバレることはなかった。
きっと、分厚い眼鏡や無造作に下ろした艶のない長い髪も存在感の薄さに拍車をかけているだろう。
……とまあそんな道端の雑草レベルもしくはそれ以下の存在感を誇るわたしは、話し相手がいない分、他人の会話についつい耳を傾けてしまう癖があるのだ。
例によって、今回もその男子グループの会話の続きを聞いてしまう。
「掃除場所どこだっけ?」