見上げた星空に、奇跡が降る
37 まどろみの中の公園
―オリオンー
いつの間にか、まぶたが重くなっていた。
雲の切れ間を待つつもりだったのに、ベッドにもたれたまま意識が静かに沈んでいく。
冷たい空気も、胸の痛みも、遠ざかっていった。
気づくと、僕は見知らぬ場所に立っていた。
知らない丘の上の広い公園。
足元の芝は白く凍りつき、息が白い。
けれど、寒さは感じない。
少し離れたところに、彼女がいた。
姿を見たこともないはずなのに、分かる……迷い猫だ。
手袋越しに手を胸の前で握り、静かに夜空を見上げている。
その横顔は、月明かりをすくい取ったように淡く輝いていた。
空は、驚くほど澄んでいた。
無数の星が、零れ落ちそうなほど近くに瞬いている。
そして、一本の光がすっと弧を描き、夜空を横切った。
「……流れ星」
隣で、彼女が小さくつぶやく。
その声は、胸の奥にじんわりと染み込んでくるようだった。
僕も空を見上げながら答えた。
「うん……きれいだ」
僕は自然に目を閉じていた。
……どうか、彼女が外の世界へ踏み出せますように。
僕のことじゃない。
自分の願いなんて、どうでも良い。
彼女が、もう孤独に閉じ込められたままじゃなく、見たい景色を自分の足で見に行けるようになりますように。
ただ、それだけを心から祈った。
まぶたを開けると、隣の彼女は、微笑んでいた。
「ありがとう」
「…………」
その一言に、心が震える。
「…………」
……そこで目が覚めた。
いつの間にか、まぶたが重くなっていた。
雲の切れ間を待つつもりだったのに、ベッドにもたれたまま意識が静かに沈んでいく。
冷たい空気も、胸の痛みも、遠ざかっていった。
気づくと、僕は見知らぬ場所に立っていた。
知らない丘の上の広い公園。
足元の芝は白く凍りつき、息が白い。
けれど、寒さは感じない。
少し離れたところに、彼女がいた。
姿を見たこともないはずなのに、分かる……迷い猫だ。
手袋越しに手を胸の前で握り、静かに夜空を見上げている。
その横顔は、月明かりをすくい取ったように淡く輝いていた。
空は、驚くほど澄んでいた。
無数の星が、零れ落ちそうなほど近くに瞬いている。
そして、一本の光がすっと弧を描き、夜空を横切った。
「……流れ星」
隣で、彼女が小さくつぶやく。
その声は、胸の奥にじんわりと染み込んでくるようだった。
僕も空を見上げながら答えた。
「うん……きれいだ」
僕は自然に目を閉じていた。
……どうか、彼女が外の世界へ踏み出せますように。
僕のことじゃない。
自分の願いなんて、どうでも良い。
彼女が、もう孤独に閉じ込められたままじゃなく、見たい景色を自分の足で見に行けるようになりますように。
ただ、それだけを心から祈った。
まぶたを開けると、隣の彼女は、微笑んでいた。
「ありがとう」
「…………」
その一言に、心が震える。
「…………」
……そこで目が覚めた。