恋愛未経験な恋愛小説家の私を、何故か担当さんが溺愛してきます!?
ぽつぽつとお喋りしていると、大型のショッピングモールへと到着した。
そこに映画館も併設されていて、どうやらそこで映画を観るらしい。
私達はちょうどお昼の回のチケットを取って、そのまま上映スクリーンへと足を向ける。
「氷上さんは、ポップコーンとか買わなくて大丈夫でしたか?あ、だった?」
「ああ、大丈夫だよ。結局買っても、映画に集中してしまって食べ忘れてしまうんだ」
「わ、私も同じ……!食べながら見ようって気楽な気持ちで買って、気が付いたら映画が終わってて……」
私の話にふふっと氷上さんが笑う。
「俺達、もしかしたら似た者同士かもしれないね」
氷上さんの言葉に、喉がひゅっと音を立てた。
そんな爽やかな笑顔で微笑まれたら、みんな氷上さんに落ちてしまう!?だってほら見て。後ろの女子達、氷上さんを見る目がハートだよ?
私の心臓も少なからず平常より早くなっており、氷上さんのイケメンのダメージを受けているように思われた。
座席はスクリーンから後ろの方の真ん中。
そこに二人並んで腰を下ろす。
「寒くないかな?」
「は、はい、大丈夫……!」
「ブランケットの貸し出しもあるみたいだから、寒くなったら言ってね」
「う、うん……!」
ブランケットくらい自分で借りに行けるというのに、なんて手厚い介護……!いやエスコート……!なるほど、事実は小説よりも奇なりと言うけれど、スパダリイケメンも小説よりすごいわけか……!
などとわけもわからない陰キャの独り言を心の中で呟いているうちに、明かりは消え、上映前のCMが始まった。
氷上さんの横顔をちらりと見ると、映画のCMも真剣に見ているようだった。
私もせっかくだ、楽しもうと映画に集中することにした。