恋愛未経験な恋愛小説家の私を、何故か担当さんが溺愛してきます!?



 そして数日後。

「琴葉先生、新作発売おめでとうございます!」
「あ、ありがとうございます……」

 私と氷上さんはめでたく?付き合うことになった。

「発売前からネットや書店でも予約が多く、発売日の今日もかなりの売れ行きが期待できると思います!」
「そ、そうですか……」

 私はちょこんとダイニングの椅子に座りながら、ぺこりと頭を下げる。

「あれ?嬉しくない?」

 お祝いに来てくれた氷上さんは、私の顔を覗き込む。

「あ、いや、嬉しくないわけじゃないんだけど、なんて言うか、恥ずかしいというか……」
「俺と美琴さんの話そのままだから?」

 氷上さんの言葉にぎくっと肩が揺れる。

 そうなのだ。
 今回出版した新作の恋愛小説は、ヒロインやヒーローの性格は違えど、ほぼ私と氷上さんとの出来事を描いた様な作品であった。
出来上がった本をぱらぱらと捲った氷上さんは、珍しく少し意地悪そうに笑った。

「俺、こんなに俺様で強引じゃないと思うけど。それとも美琴さんは、こういう強引な方が好き?」

 いたずらっぽく笑った氷上さんに、私の頬に熱が籠っていくのがわかる。
 反論してくると思ったのか、「あれ?」と言って首を傾げる氷上さん。

「そっかぁ、美琴さんは少し強引な方が好きなんですね」

 ふむふむと勝手に納得した氷上さんは、私を軽々持ち上げる。横抱きに抱えられた私は氷上さんのあまりのかっこよさに「ひぇっ」と変な声を出してしまう。

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