恋愛未経験な恋愛小説家の私を、何故か担当さんが溺愛してきます!?
*
そして数日後。
「琴葉先生、新作発売おめでとうございます!」
「あ、ありがとうございます……」
私と氷上さんはめでたく?付き合うことになった。
「発売前からネットや書店でも予約が多く、発売日の今日もかなりの売れ行きが期待できると思います!」
「そ、そうですか……」
私はちょこんとダイニングの椅子に座りながら、ぺこりと頭を下げる。
「あれ?嬉しくない?」
お祝いに来てくれた氷上さんは、私の顔を覗き込む。
「あ、いや、嬉しくないわけじゃないんだけど、なんて言うか、恥ずかしいというか……」
「俺と美琴さんの話そのままだから?」
氷上さんの言葉にぎくっと肩が揺れる。
そうなのだ。
今回出版した新作の恋愛小説は、ヒロインやヒーローの性格は違えど、ほぼ私と氷上さんとの出来事を描いた様な作品であった。
出来上がった本をぱらぱらと捲った氷上さんは、珍しく少し意地悪そうに笑った。
「俺、こんなに俺様で強引じゃないと思うけど。それとも美琴さんは、こういう強引な方が好き?」
いたずらっぽく笑った氷上さんに、私の頬に熱が籠っていくのがわかる。
反論してくると思ったのか、「あれ?」と言って首を傾げる氷上さん。
「そっかぁ、美琴さんは少し強引な方が好きなんですね」
ふむふむと勝手に納得した氷上さんは、私を軽々持ち上げる。横抱きに抱えられた私は氷上さんのあまりのかっこよさに「ひぇっ」と変な声を出してしまう。