呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
対する彼女も優しく笑み、「ゆっくり見てくと良いよ」と、ミランの肩をぽんと叩く。
ミランの肩を叩く、白々とした彼女の右手──その薬指には、綺麗な金細工の指輪が妙に際立っていた。真ん中には大粒の翠玉らしき宝石が彩っており、その華奢な指によく映えているように思えた。
「そうだ、リーヌ。こっちはベル。昨日来たばかりの俺の婚約者……」
ミランの声に我に返ったベルティーナは、慌てて彼女の顔に目をやって会釈した。
すると、彼女は明るい顔でベルティーナの方を向くと、礼儀正しく一礼し、綺麗に笑んだ。
「お初にお目にかかります、ベル様……」
まだ正しい名を知らないのだろう。ミランのつけた愛称を言って、傅く彼女に、ベルティーナは瞬きをした。
「ええ……正しくはベルティーナよ」
「左様ですか」
「別に愛称で構わないわ。けれど、愛称で呼ばれることなんてなかったものだから、すぐ反応できるか分からないけれど」
「承知しました。ベル様が来られたこと、心より歓迎いたします」
そうして彼女が跪き、ベルティーナの手を取ろうとした須臾だった。すぐにミランがリーヌとベルティーナの間に割り入ったのである。
「リーヌ、それはやるな……!」
突然荒々しく言ったミランの言葉に、ベルティーナは目を瞠る。
心なしかその表情は悲しげで……。
いったいどうしたのか……と思うが、ミランの指を見てすぐに、ベルティーナは彼の行動すべてを理解した。
彼の装いの細部など見ておらず気づきもしなかったことだが、彼の右手の薬指に、リーヌがつけているものとまったく同じ形状の指輪があることに気づいてしまったのだ。
違う部分と言えば、中央に配置された宝石で……。それはリーヌのものとは対照的に、紅玉らしき大きな宝石が嵌め込まれていた。
この世界でそれが何を意味するかは分からないが、人の世界で右手薬指の指輪は「婚約者あるいは恋人の証」と本で読んだことがある。
さらに、それを決定づけたのは指輪中央に配置された宝石もあるだろう。
正確には碧翠だが、翠色は必然的にミランの瞳を彷彿させる。一方、赤はリーヌと名乗った彼女の髪色を連想させる。
ミランの肩を叩く、白々とした彼女の右手──その薬指には、綺麗な金細工の指輪が妙に際立っていた。真ん中には大粒の翠玉らしき宝石が彩っており、その華奢な指によく映えているように思えた。
「そうだ、リーヌ。こっちはベル。昨日来たばかりの俺の婚約者……」
ミランの声に我に返ったベルティーナは、慌てて彼女の顔に目をやって会釈した。
すると、彼女は明るい顔でベルティーナの方を向くと、礼儀正しく一礼し、綺麗に笑んだ。
「お初にお目にかかります、ベル様……」
まだ正しい名を知らないのだろう。ミランのつけた愛称を言って、傅く彼女に、ベルティーナは瞬きをした。
「ええ……正しくはベルティーナよ」
「左様ですか」
「別に愛称で構わないわ。けれど、愛称で呼ばれることなんてなかったものだから、すぐ反応できるか分からないけれど」
「承知しました。ベル様が来られたこと、心より歓迎いたします」
そうして彼女が跪き、ベルティーナの手を取ろうとした須臾だった。すぐにミランがリーヌとベルティーナの間に割り入ったのである。
「リーヌ、それはやるな……!」
突然荒々しく言ったミランの言葉に、ベルティーナは目を瞠る。
心なしかその表情は悲しげで……。
いったいどうしたのか……と思うが、ミランの指を見てすぐに、ベルティーナは彼の行動すべてを理解した。
彼の装いの細部など見ておらず気づきもしなかったことだが、彼の右手の薬指に、リーヌがつけているものとまったく同じ形状の指輪があることに気づいてしまったのだ。
違う部分と言えば、中央に配置された宝石で……。それはリーヌのものとは対照的に、紅玉らしき大きな宝石が嵌め込まれていた。
この世界でそれが何を意味するかは分からないが、人の世界で右手薬指の指輪は「婚約者あるいは恋人の証」と本で読んだことがある。
さらに、それを決定づけたのは指輪中央に配置された宝石もあるだろう。
正確には碧翠だが、翠色は必然的にミランの瞳を彷彿させる。一方、赤はリーヌと名乗った彼女の髪色を連想させる。