秘密のカランコエ〜敏腕ドクターは愛しいママと子どもを二度と離さない〜
「姉さんの家で再会したのは偶然を装っただけだったんだ。……実は、事前に知っていた」
部屋の隅に置かれた折りたたみイスを開いて座り、語り始める宗一郎さん。
その憂いを帯びた目元と、その下にスっと通る鼻筋の美しさを間近で見て、その美麗さに懐かしさが込み上がる。
「司義兄さんが入院している間、手伝ってほしいと言われたのは本当だ。もともとその気だった。でも、それを最終的に決めたのは、今利用している訪問看護ステーションの担当ナースが清水茉奈だと知ったからだったんだ……」
軽く俯いて、表情を見せてくれない。
隠したその先の感情は私にはわからなかった。
「俺がこの病院にいるのは、永徳からここに応援勤務医として定期的に出勤しているからで、これは本当に偶然だ」
「そう……」
ここは小児科と産科が併設された病棟だ。
小児科と産科の連携は出生前からの一貫したサポート、母体と新生児の包括的なケア、家族への心理支援も可能になる。
そんな方針の病院だからこそ、宗一郎さんが選ばれたのだろう。
彼は、『女性の人生を診る医師』を目指していたから……。
きっと私と別れてからここに応援に来ているのだろう。知らなかった。
「姉さんから茉奈が子どもを育てていると聞いて、狂いそうになった。そしたら今度は、俺の働いている病院に茉奈の子どもが入院していると知って俺は……」
宗一郎さんの声は小さくて、少し震えていた。
無理もない。
普段、どれだけ冷静で的確な判断を下すエリートドクターであっても、ちゃんと心がある。
しかし、何も言わずに姿を消した私に対して、そこまで何かを思ってくれていたとは思いもしなかった。
部屋の隅に置かれた折りたたみイスを開いて座り、語り始める宗一郎さん。
その憂いを帯びた目元と、その下にスっと通る鼻筋の美しさを間近で見て、その美麗さに懐かしさが込み上がる。
「司義兄さんが入院している間、手伝ってほしいと言われたのは本当だ。もともとその気だった。でも、それを最終的に決めたのは、今利用している訪問看護ステーションの担当ナースが清水茉奈だと知ったからだったんだ……」
軽く俯いて、表情を見せてくれない。
隠したその先の感情は私にはわからなかった。
「俺がこの病院にいるのは、永徳からここに応援勤務医として定期的に出勤しているからで、これは本当に偶然だ」
「そう……」
ここは小児科と産科が併設された病棟だ。
小児科と産科の連携は出生前からの一貫したサポート、母体と新生児の包括的なケア、家族への心理支援も可能になる。
そんな方針の病院だからこそ、宗一郎さんが選ばれたのだろう。
彼は、『女性の人生を診る医師』を目指していたから……。
きっと私と別れてからここに応援に来ているのだろう。知らなかった。
「姉さんから茉奈が子どもを育てていると聞いて、狂いそうになった。そしたら今度は、俺の働いている病院に茉奈の子どもが入院していると知って俺は……」
宗一郎さんの声は小さくて、少し震えていた。
無理もない。
普段、どれだけ冷静で的確な判断を下すエリートドクターであっても、ちゃんと心がある。
しかし、何も言わずに姿を消した私に対して、そこまで何かを思ってくれていたとは思いもしなかった。