秘密のカランコエ〜敏腕ドクターは愛しいママと子どもを二度と離さない〜
「そうですね……」
愛されていたと思う。
それなのに私は、彼のもとから去った。輝かしい彼の未来を邪魔したくなくて、何も言わずに姿を消すしかなかった。
最後の夜に、彼との愛の証を宿してから、ひとりで生きていくと覚悟したのに。
──それでも、未だに彼からの愛のぬくもりを忘れられないままだ。
私はまたテレビに映る宗一郎さんの姿に視線を戻す。
こんなにも彼への想いがまだ心に残っていただなんて思わなかった。距離を置いても、心は彼から逃げられないということなのか。
「そういえば午後の訪問、結城さんのお宅。今日からお母さんの弟さんが来るんだっけ? 翔太くんのお父さんが入院している間のお手伝いしてくれるなんていい叔父さんよね」
「はい。でも、その弟さんがドクターだと聞いてたのでちょっと構えてしまいますが」
「医療従事者相手だとやりにくい時あるしねぇ。医者なんて尚更よね」
「そうなんです。ドクターってなると関わり方も難しいというか……一応ケアや処置の仕方も指導しなきゃだし」
「とりあえず一週間だけだしね。なんかあったら私に言いなよ?」
「ありがとうございます」
松本さんが話題を変えてくれたおかげで私の気持ちもだいぶ落ち着いてきた。
午後からの訪問では結城さんの弟さんとの初対面もある。宗一郎さんのことで乱れた心を鎮めて、私は午後の訪問に向かった。
愛されていたと思う。
それなのに私は、彼のもとから去った。輝かしい彼の未来を邪魔したくなくて、何も言わずに姿を消すしかなかった。
最後の夜に、彼との愛の証を宿してから、ひとりで生きていくと覚悟したのに。
──それでも、未だに彼からの愛のぬくもりを忘れられないままだ。
私はまたテレビに映る宗一郎さんの姿に視線を戻す。
こんなにも彼への想いがまだ心に残っていただなんて思わなかった。距離を置いても、心は彼から逃げられないということなのか。
「そういえば午後の訪問、結城さんのお宅。今日からお母さんの弟さんが来るんだっけ? 翔太くんのお父さんが入院している間のお手伝いしてくれるなんていい叔父さんよね」
「はい。でも、その弟さんがドクターだと聞いてたのでちょっと構えてしまいますが」
「医療従事者相手だとやりにくい時あるしねぇ。医者なんて尚更よね」
「そうなんです。ドクターってなると関わり方も難しいというか……一応ケアや処置の仕方も指導しなきゃだし」
「とりあえず一週間だけだしね。なんかあったら私に言いなよ?」
「ありがとうございます」
松本さんが話題を変えてくれたおかげで私の気持ちもだいぶ落ち着いてきた。
午後からの訪問では結城さんの弟さんとの初対面もある。宗一郎さんのことで乱れた心を鎮めて、私は午後の訪問に向かった。