秘密のカランコエ〜敏腕ドクターは愛しいママと子どもを二度と離さない〜
「なんだって?」
「あー! パパー!」
噂をすれば宗一郎さんが病室に顔を出しに来てくれた。
「ねぇパパ、手術終わったらゆたか行きたい!」
「ゆたかって?」
「あのね、おうまさんとおはなとソフトクリームあるの」
「あぁ、ゆたかふれあいファームか」
彩花は宗一郎さんと出会った当初は人見知りをしていたけれど、私が言っていた『パパはお仕事が終わったら帰ってくる』を信じていたようで、すぐに宗一郎さんに懐いてくれた。
しかしそれは宗一郎さんの娘への溺愛っぷりの賜物でもあると思う。
「手術が終わったご褒美にどうかなって」
「ママもソフトクリーム食べたいって言ってた!」
彩花は私と宗一郎さんの方を見てはしゃぎながらそう言う。
「そうか。じゃあ彩花が元気になったら三人で行こうな」
「やったー! はい、ゆびきりげんまん!」
宗一郎さんが彩花と小指同士で指切りげんまんをした後、頭をわしゃわしゃと撫でると、とても嬉しそうにしている。
その手をぎゅっと握って頬に移動させた。
「パパのおてておっきー」
「彩花のほっぺちっちゃーい」
宗一郎さんは彩花の前だと本当によく笑う。
緊張感のないふんわりとした印象は、職場では見られないだろう。
「ママもあやかのほっぺ触って」
「うん。おぉ〜もちもちすべすべ〜」
私と一緒に慣らし付き添いをしていた頃も、彩花を精神的にも支えてくれた。
不安に思っている時は、安心感のある声で受け止めていた。
父親としての宗一郎さんを間近に見て、この人となら新しい未来を歩めると確信した。
「あ、ほら、ごはん食べないと冷めちゃう」
「そうだったー!」
秘密を抱えて裏切るような形で姿を消した私が、こんな幸せになっていいのだろうか。
そう思うことさえあったけど、今は違う。
私は、母親として彩花を幸せにしなくてはいけない。そのために宗一郎さんと一緒になろう。
宗一郎さんの愛が、今も変わらず私を包んでくれる。
彩花に向けられる眼差しにも、深い優しさと温もりがあった。
だからもう迷わない。
この人と共に、ふたりで彩花を──私たちの未来を、幸せにしていきたい。
「あー! パパー!」
噂をすれば宗一郎さんが病室に顔を出しに来てくれた。
「ねぇパパ、手術終わったらゆたか行きたい!」
「ゆたかって?」
「あのね、おうまさんとおはなとソフトクリームあるの」
「あぁ、ゆたかふれあいファームか」
彩花は宗一郎さんと出会った当初は人見知りをしていたけれど、私が言っていた『パパはお仕事が終わったら帰ってくる』を信じていたようで、すぐに宗一郎さんに懐いてくれた。
しかしそれは宗一郎さんの娘への溺愛っぷりの賜物でもあると思う。
「手術が終わったご褒美にどうかなって」
「ママもソフトクリーム食べたいって言ってた!」
彩花は私と宗一郎さんの方を見てはしゃぎながらそう言う。
「そうか。じゃあ彩花が元気になったら三人で行こうな」
「やったー! はい、ゆびきりげんまん!」
宗一郎さんが彩花と小指同士で指切りげんまんをした後、頭をわしゃわしゃと撫でると、とても嬉しそうにしている。
その手をぎゅっと握って頬に移動させた。
「パパのおてておっきー」
「彩花のほっぺちっちゃーい」
宗一郎さんは彩花の前だと本当によく笑う。
緊張感のないふんわりとした印象は、職場では見られないだろう。
「ママもあやかのほっぺ触って」
「うん。おぉ〜もちもちすべすべ〜」
私と一緒に慣らし付き添いをしていた頃も、彩花を精神的にも支えてくれた。
不安に思っている時は、安心感のある声で受け止めていた。
父親としての宗一郎さんを間近に見て、この人となら新しい未来を歩めると確信した。
「あ、ほら、ごはん食べないと冷めちゃう」
「そうだったー!」
秘密を抱えて裏切るような形で姿を消した私が、こんな幸せになっていいのだろうか。
そう思うことさえあったけど、今は違う。
私は、母親として彩花を幸せにしなくてはいけない。そのために宗一郎さんと一緒になろう。
宗一郎さんの愛が、今も変わらず私を包んでくれる。
彩花に向けられる眼差しにも、深い優しさと温もりがあった。
だからもう迷わない。
この人と共に、ふたりで彩花を──私たちの未来を、幸せにしていきたい。