森の魔女と託宣の誓い -龍の託宣5-
そんな会話にリーゼロッテは聞き耳を立てた。ジークヴァルトの婚約者は自分なのだ。大声でそう訴えたい。
「言った通りでしたでしょう? 見張っていないと油断も隙もありませんことよ?」
「あら? ヨハン様。それにマテアスも」
ふいにエマニュエルが不思議そうな声を上げた。ジークヴァルトの立つ向こうに、カーク子爵家跡取りヨハンの巨体と、マテアスのもじゃもじゃ天然パーマが見える。
「今日はふたりも訓練に参加するそうですわ。ヴァルト様がそうおっしゃっていましたから」
「ヨハン様は分かりますけれど、どうしてマテアスまで……」
「マテアス……? ああ、公爵様の従者の。確かエマニュエル様の弟でしたわよね」
「ええ、旦那様とリーゼロッテ様が婚姻を果たされましたら、マテアスが公爵家の家令を務める事になっていて。あの子、お屋敷を離れて大丈夫なのかしら……」
「なんでもキュプカー侯爵様のたってのご希望らしいですわ」
リーゼロッテの言葉に、ヤスミンは首をかしげた。
「ということは、彼は相当強いのかしら?」
「マテアスは武術の達人です。それはもう本当に強いんですよ」
興奮気味に前のめりで言うエラに、みなの視線が集まった。
「エラ様、いつの間にマテアスとそんなに親しくなられたの?」
「いえ、親しくと言うか、去年からマテアスに護身と体術の指南を受けていて」
「あら、それは楽しそうですわね」
そんな会話をしているうちに、キュプカー隊長の号令が訓練場に響き渡った。
「では訓練を開始する! 本日からフーゲンベルク副隊長が復帰した。手合わせ要員として、子爵家のカーク殿と公爵家の家人を副隊長が連れてきてくれた。カーク殿は力強い剣を振るう。従者の彼は武術に長けた人物だ。普段と違うタイプの相手だ、各自、油断しないように。それと怪我のないよう準備運動は怠るなよ!」
それぞれが動き出そうとした時、見学していた令嬢たちから歓喜の悲鳴があがった。
「言った通りでしたでしょう? 見張っていないと油断も隙もありませんことよ?」
「あら? ヨハン様。それにマテアスも」
ふいにエマニュエルが不思議そうな声を上げた。ジークヴァルトの立つ向こうに、カーク子爵家跡取りヨハンの巨体と、マテアスのもじゃもじゃ天然パーマが見える。
「今日はふたりも訓練に参加するそうですわ。ヴァルト様がそうおっしゃっていましたから」
「ヨハン様は分かりますけれど、どうしてマテアスまで……」
「マテアス……? ああ、公爵様の従者の。確かエマニュエル様の弟でしたわよね」
「ええ、旦那様とリーゼロッテ様が婚姻を果たされましたら、マテアスが公爵家の家令を務める事になっていて。あの子、お屋敷を離れて大丈夫なのかしら……」
「なんでもキュプカー侯爵様のたってのご希望らしいですわ」
リーゼロッテの言葉に、ヤスミンは首をかしげた。
「ということは、彼は相当強いのかしら?」
「マテアスは武術の達人です。それはもう本当に強いんですよ」
興奮気味に前のめりで言うエラに、みなの視線が集まった。
「エラ様、いつの間にマテアスとそんなに親しくなられたの?」
「いえ、親しくと言うか、去年からマテアスに護身と体術の指南を受けていて」
「あら、それは楽しそうですわね」
そんな会話をしているうちに、キュプカー隊長の号令が訓練場に響き渡った。
「では訓練を開始する! 本日からフーゲンベルク副隊長が復帰した。手合わせ要員として、子爵家のカーク殿と公爵家の家人を副隊長が連れてきてくれた。カーク殿は力強い剣を振るう。従者の彼は武術に長けた人物だ。普段と違うタイプの相手だ、各自、油断しないように。それと怪我のないよう準備運動は怠るなよ!」
それぞれが動き出そうとした時、見学していた令嬢たちから歓喜の悲鳴があがった。