森の魔女と託宣の誓い -龍の託宣5-
◇
ブルーメ家をあとにして、いつもより長い馬車での移動が続いた。辺りはどんどん雪深くなっていく。冬に逆戻りしたような一面の銀世界だ。
「この時期にこんなに雪が積もってるなんて……」
「この一帯は年中雪が降る。寒かったらすぐに言え」
膝の上、肩を抱き寄せられる。馬車の中は暖かくて寒いことは何もない。それでも甘えるように、ジークヴァルトの胸にもたれかかった。
(あれ……? ヴァルト様の心臓の音、いつもより早いみたい……)
心配になって見上げるも、普段通り書類に目を落とすジークヴァルトがいるだけだ。
「どうした?」
「いえ、ヴァルト様、どこかお加減が悪くはないですか……?」
「特に問題ないが」
「そうですか。それならよかったですわ」
「ああ」
そこで会話は途切れ、リーゼロッテは一向に暗くならない外に視線を戻した。
「今は白夜だ。明るくてももう遅い。眠くなったら寝ていいぞ」
「はい、ヴァルト様」
言われるなりうとうとしてきてしまう。まどろみながらリーゼロッテは、もうすぐ会える森の魔女に思いを馳せていた。
それに大事なことを忘れていた自分に気づく。ずっと旅に浮かれていたが、王から賜った重要な神事を、これからこなさねばならないのだ。
「ヴァルト様……神事って一体どんなことをするのでしょう……?」
「……難しいことは何もない。行った先でシネヴァの巫女に従えばそれでいい」
「そうですか……ヴァルト様が一緒なら、何も心配はいりませんわね……」
そうつぶやいて、リーゼロッテは訪れた眠気に沈んでいった。
ブルーメ家をあとにして、いつもより長い馬車での移動が続いた。辺りはどんどん雪深くなっていく。冬に逆戻りしたような一面の銀世界だ。
「この時期にこんなに雪が積もってるなんて……」
「この一帯は年中雪が降る。寒かったらすぐに言え」
膝の上、肩を抱き寄せられる。馬車の中は暖かくて寒いことは何もない。それでも甘えるように、ジークヴァルトの胸にもたれかかった。
(あれ……? ヴァルト様の心臓の音、いつもより早いみたい……)
心配になって見上げるも、普段通り書類に目を落とすジークヴァルトがいるだけだ。
「どうした?」
「いえ、ヴァルト様、どこかお加減が悪くはないですか……?」
「特に問題ないが」
「そうですか。それならよかったですわ」
「ああ」
そこで会話は途切れ、リーゼロッテは一向に暗くならない外に視線を戻した。
「今は白夜だ。明るくてももう遅い。眠くなったら寝ていいぞ」
「はい、ヴァルト様」
言われるなりうとうとしてきてしまう。まどろみながらリーゼロッテは、もうすぐ会える森の魔女に思いを馳せていた。
それに大事なことを忘れていた自分に気づく。ずっと旅に浮かれていたが、王から賜った重要な神事を、これからこなさねばならないのだ。
「ヴァルト様……神事って一体どんなことをするのでしょう……?」
「……難しいことは何もない。行った先でシネヴァの巫女に従えばそれでいい」
「そうですか……ヴァルト様が一緒なら、何も心配はいりませんわね……」
そうつぶやいて、リーゼロッテは訪れた眠気に沈んでいった。