森の魔女と託宣の誓い -龍の託宣5-
「いつまでも遊んでいないで、侯爵家を早く継いだらどうだ」
「嫌ですよ。我が家の不正を片付けるのに、随分と協力したでしょう? 面倒くさがらず、もうしばらくは父上が矢面に立ってグレーデン家を仕切ってください」
「エルヴィンはエーミールと違って手厳しいなぁ」
「今まで社交界に出られなかった分、可愛いお嫁さん探しもしたいですから。それにしてもエーミール、エデラー嬢を逃したのは痛かったね。とても勇敢なお嬢さんだったじゃないか。エーミールが要らなかったのなら、わたしが妻に欲しかったくらいだよ」
もはや言葉もなかった。いきなり足場を失って、ここに立てているのが不思議なくらいだ。
「今、婚約者のいない令嬢は若い子ばっかりだから、どの子を狙おうか迷ってしまうね。へリング子爵家のクラーラ嬢はあのおどおどした感じが可愛いし、カーク子爵家のブランシュ嬢はぽっちゃり加減がたまらないんだよねぇ。あとはブラル伯爵家のイザベラ嬢だな。あの気の強そうな態度は実にしつけ甲斐がありそうだ。噂のブルーメ子爵家の赤毛の令嬢にも早く会ってみたいし。正直、見た目だけだと、カロリーネ嬢がドストライクなんだけどね。さすがに男を妻に迎えるわけにもいかないしなぁ。あれ、エーミール、もう行くのかい? またいつでも可愛い顔を見せにおいでね」
ふらふらと出ていくエーミールに、エルヴィンは悪びれない笑顔を向けた。何も返事を返さないまま、エーミールは再びフーゲンベルク家へと向かったのだった。
「嫌ですよ。我が家の不正を片付けるのに、随分と協力したでしょう? 面倒くさがらず、もうしばらくは父上が矢面に立ってグレーデン家を仕切ってください」
「エルヴィンはエーミールと違って手厳しいなぁ」
「今まで社交界に出られなかった分、可愛いお嫁さん探しもしたいですから。それにしてもエーミール、エデラー嬢を逃したのは痛かったね。とても勇敢なお嬢さんだったじゃないか。エーミールが要らなかったのなら、わたしが妻に欲しかったくらいだよ」
もはや言葉もなかった。いきなり足場を失って、ここに立てているのが不思議なくらいだ。
「今、婚約者のいない令嬢は若い子ばっかりだから、どの子を狙おうか迷ってしまうね。へリング子爵家のクラーラ嬢はあのおどおどした感じが可愛いし、カーク子爵家のブランシュ嬢はぽっちゃり加減がたまらないんだよねぇ。あとはブラル伯爵家のイザベラ嬢だな。あの気の強そうな態度は実にしつけ甲斐がありそうだ。噂のブルーメ子爵家の赤毛の令嬢にも早く会ってみたいし。正直、見た目だけだと、カロリーネ嬢がドストライクなんだけどね。さすがに男を妻に迎えるわけにもいかないしなぁ。あれ、エーミール、もう行くのかい? またいつでも可愛い顔を見せにおいでね」
ふらふらと出ていくエーミールに、エルヴィンは悪びれない笑顔を向けた。何も返事を返さないまま、エーミールは再びフーゲンベルク家へと向かったのだった。