森の魔女と託宣の誓い -龍の託宣5-
「エラ、いいのですか? 一刻も早く子供を作らないと、リーゼロッテ様に先を越されてしまうかもしれませんよ? 何しろ若い旦那様の方が、わたしなどより体力がおありです。婚姻の託宣が降りたなら、あっという間にお子ができるに違いありません。エラが先に経験を積まないことには、リーゼロッテ様のお力になれないでしょう?」
耳元で囁かれ、エラは目を見開いた。マテアスの言うことはもっともだ。だがいきなりのことでエラも心が追いつかない。どうしても体が抵抗してしまって、エラはマテアスから目を逸らした。真剣に見下ろすマテアスが、まるで知らない男に見えた。
「ところで、エラ。リーゼロッテ様が初夜を迎えるときに、あなたは何と言って送り出すつもりでいますか?」
「それは……旦那様にすべてお任せすれば、それで大丈夫だと……」
突然の問いかけに、淑女教育の教本に載っているような答えを、エラはそのまま返した。するとマテアスの口元から、小さく笑いが漏れて出る。
「自分にはできもしないことを、あなたはリーゼロッテ様に進言しようとしていたのですか?」
その言葉に息を飲んだ。マテアスはいつでも正しくて、エラは何も言い返せない。観念したように力を抜くと、エラは寝台の上で震える手を祈るように重ね合わせた。
ふっと笑うとマテアスは、再び口づけを重ねてくる。怯える体を悟られないようにと、エラはきつく目を閉じた。
続いていた刺激がふと止んで、苦笑いと共に体を抱き起される。エラを寝台の縁に座らせると、マテアスはエラの乱れた服を元通りに整え始めた。
「あの、マテアス……?」
「思いがけずにあなたを手に入れてしまって、わたしも性急に事を進めすぎました。怖い思いをさせましたね。本当ならエラの気持ちの整理がつくまで、きちんと待つべきでした。エラ、わたしを許してくれますか?」
普段通りのやわらかな笑みを向けられて、そこでようやく力が抜けた。
「とはいえ、わたしもそう長くは待てないと思います。できるだけ早く心を決めてもらえるとうれしいのですが」
「分かりました……」
気の抜けたまま頷いた。そんなエラの肩に、マテアスはやさしく手を乗せてくる。まっすぐと見つめられて、エラも素直に見つめ返した。
耳元で囁かれ、エラは目を見開いた。マテアスの言うことはもっともだ。だがいきなりのことでエラも心が追いつかない。どうしても体が抵抗してしまって、エラはマテアスから目を逸らした。真剣に見下ろすマテアスが、まるで知らない男に見えた。
「ところで、エラ。リーゼロッテ様が初夜を迎えるときに、あなたは何と言って送り出すつもりでいますか?」
「それは……旦那様にすべてお任せすれば、それで大丈夫だと……」
突然の問いかけに、淑女教育の教本に載っているような答えを、エラはそのまま返した。するとマテアスの口元から、小さく笑いが漏れて出る。
「自分にはできもしないことを、あなたはリーゼロッテ様に進言しようとしていたのですか?」
その言葉に息を飲んだ。マテアスはいつでも正しくて、エラは何も言い返せない。観念したように力を抜くと、エラは寝台の上で震える手を祈るように重ね合わせた。
ふっと笑うとマテアスは、再び口づけを重ねてくる。怯える体を悟られないようにと、エラはきつく目を閉じた。
続いていた刺激がふと止んで、苦笑いと共に体を抱き起される。エラを寝台の縁に座らせると、マテアスはエラの乱れた服を元通りに整え始めた。
「あの、マテアス……?」
「思いがけずにあなたを手に入れてしまって、わたしも性急に事を進めすぎました。怖い思いをさせましたね。本当ならエラの気持ちの整理がつくまで、きちんと待つべきでした。エラ、わたしを許してくれますか?」
普段通りのやわらかな笑みを向けられて、そこでようやく力が抜けた。
「とはいえ、わたしもそう長くは待てないと思います。できるだけ早く心を決めてもらえるとうれしいのですが」
「分かりました……」
気の抜けたまま頷いた。そんなエラの肩に、マテアスはやさしく手を乗せてくる。まっすぐと見つめられて、エラも素直に見つめ返した。