森の魔女と託宣の誓い -龍の託宣5-
「旦那様、もう少しリーゼロッテ様を自由にして差し上げても」
「いいのよ、マテアス。わたくしちゃんとお部屋でお帰りを待っているから」
「ですが、いつまでもこの状況でいたら、リーゼロッテ様も窮屈でございましょう?」
「ヴァルト様には今まで心配ばかりかけてきたもの。わたくしこれくらい、なんてことはないわ」
「しかしそれはリーゼロッテ様のせいではございませんし……」
困り顔のマテアスを前に、リーゼロッテはふわりと笑みを作った。
「それでもご負担にはなりたくないの。その代わりヴァルト様、お戻りになったら少しでもわたくしをかまってくださいませね?」
「ああ、分かった」
「あともうひとつお願いが……」
もじもじと恥じらいながら、上目遣いを向けてくる。頬を真っ赤に染めたまま、リーゼロッテは大きく両手を広げてみせた。
「お出かけの前に、ぎゅっとしてくださいませっ」
意を決したように紡がれた言葉に、ぎゅっとなったのはむしろこの胸の奥だった。いろんなものが限界を超えすぎて、衝動であらぬものが爆発しそうだ。触れたら最後、止まらなくなりそうで、手を伸ばすことをためらった。
「何やってるんですか、早く抱きしめて差し上げないと」
小声で急かされて、歯を食いしばり小さな体を包み込む。やわらかくて、あたたかくて、あまい香りが鼻をくすぐった。力が入りすぎないようにしながらも、きつく閉じ込めて離せなくなる。このまま自室に連れ去って、鍵を掛け、寝台に押し倒して、もう何もかもを手に入れたい。
「ヴァルト様……少し苦しいですわ」
慌てて腕を緩めると、はにかむ笑顔で見上げてきた。胸板に頬を寄せ、無防備な体を預けてくる。たまらなくなって、真上から髪に口元をうずめた。溢れ出る何かをごまかすために、リーゼロッテの頭めがけて青の力を吹き込んだ。
「いいのよ、マテアス。わたくしちゃんとお部屋でお帰りを待っているから」
「ですが、いつまでもこの状況でいたら、リーゼロッテ様も窮屈でございましょう?」
「ヴァルト様には今まで心配ばかりかけてきたもの。わたくしこれくらい、なんてことはないわ」
「しかしそれはリーゼロッテ様のせいではございませんし……」
困り顔のマテアスを前に、リーゼロッテはふわりと笑みを作った。
「それでもご負担にはなりたくないの。その代わりヴァルト様、お戻りになったら少しでもわたくしをかまってくださいませね?」
「ああ、分かった」
「あともうひとつお願いが……」
もじもじと恥じらいながら、上目遣いを向けてくる。頬を真っ赤に染めたまま、リーゼロッテは大きく両手を広げてみせた。
「お出かけの前に、ぎゅっとしてくださいませっ」
意を決したように紡がれた言葉に、ぎゅっとなったのはむしろこの胸の奥だった。いろんなものが限界を超えすぎて、衝動であらぬものが爆発しそうだ。触れたら最後、止まらなくなりそうで、手を伸ばすことをためらった。
「何やってるんですか、早く抱きしめて差し上げないと」
小声で急かされて、歯を食いしばり小さな体を包み込む。やわらかくて、あたたかくて、あまい香りが鼻をくすぐった。力が入りすぎないようにしながらも、きつく閉じ込めて離せなくなる。このまま自室に連れ去って、鍵を掛け、寝台に押し倒して、もう何もかもを手に入れたい。
「ヴァルト様……少し苦しいですわ」
慌てて腕を緩めると、はにかむ笑顔で見上げてきた。胸板に頬を寄せ、無防備な体を預けてくる。たまらなくなって、真上から髪に口元をうずめた。溢れ出る何かをごまかすために、リーゼロッテの頭めがけて青の力を吹き込んだ。