森の魔女と託宣の誓い -龍の託宣5-
「ふひあっ」
腕の中をリーゼロッテが小さく飛び跳ねる。理性と欲望がせめぎ合って、踏みとどまるために大きく長く息を吐いた。ぎりぎりの所でようやく理性が機能する。傷つけないように。壊さないように。彼女は守るべき存在だ。
「もう、ヴァルト様、突然力を流し込むのはやめてくださいませ」
「オレがいない間の応急措置だ」
やっとの思いで体を離した。これ以上触れていたら、きっと本当にまずいことになる。
『ヴァルトってなんでそんなに頑固なんだろ? 本能に従っても別にいいと思うけど』
「うるさい、お前は黙っていろ」
天井から現れた守護者を睨みつけると、マテアスが訝しげな顔をした。
『もう仕方ないなぁ。今日はオレ、ずっとリーゼロッテのそばにいるからさ、安心して王城に行って来なよ。何かあったらすぐにヴァルトを呼ぶからさ』
「ハルト様がおそばにいてくださるなら心強いですわ」
「駄目だ、部屋には絶対に入るな」
『やだなぁ、リーゼロッテの着替えとかは覗いたりしないって。ヴァルトが見たいって言うなら、遠隔で視せてあげるけど』
「ふざけるな」
殺気交じりに言葉を返すと、横にいたリーゼロッテがなぜか傷ついたような瞳で見上げてきた。
「旦那様……また守護者ですか? ご心配でしょうが今日はエラもそばにおります。そろそろ出発しないと遅れてしまいますよ」
「ああ、分かっている」
離れがたくて頬に指を伸ばす。焦れたマテアスに促されて、ジークヴァルトは渋々王城に向かったのだった。
腕の中をリーゼロッテが小さく飛び跳ねる。理性と欲望がせめぎ合って、踏みとどまるために大きく長く息を吐いた。ぎりぎりの所でようやく理性が機能する。傷つけないように。壊さないように。彼女は守るべき存在だ。
「もう、ヴァルト様、突然力を流し込むのはやめてくださいませ」
「オレがいない間の応急措置だ」
やっとの思いで体を離した。これ以上触れていたら、きっと本当にまずいことになる。
『ヴァルトってなんでそんなに頑固なんだろ? 本能に従っても別にいいと思うけど』
「うるさい、お前は黙っていろ」
天井から現れた守護者を睨みつけると、マテアスが訝しげな顔をした。
『もう仕方ないなぁ。今日はオレ、ずっとリーゼロッテのそばにいるからさ、安心して王城に行って来なよ。何かあったらすぐにヴァルトを呼ぶからさ』
「ハルト様がおそばにいてくださるなら心強いですわ」
「駄目だ、部屋には絶対に入るな」
『やだなぁ、リーゼロッテの着替えとかは覗いたりしないって。ヴァルトが見たいって言うなら、遠隔で視せてあげるけど』
「ふざけるな」
殺気交じりに言葉を返すと、横にいたリーゼロッテがなぜか傷ついたような瞳で見上げてきた。
「旦那様……また守護者ですか? ご心配でしょうが今日はエラもそばにおります。そろそろ出発しないと遅れてしまいますよ」
「ああ、分かっている」
離れがたくて頬に指を伸ばす。焦れたマテアスに促されて、ジークヴァルトは渋々王城に向かったのだった。