森の魔女と託宣の誓い -龍の託宣5-
「では母様は……」
「ああ、マルグリットは生きている。オレには分かる。小さくても、今もどこかにいるマルグリットの気が……」
リーゼロッテの言えなかった言葉を、そして知りたかった答えを、イグナーツは淀みなく返してくれた。
「オレは必ずマルグリットを取り戻す。奪わせたままになど、絶対にさせない」
鬼気迫る独白に、思わずその顔を凝視する。そこにあったのは父親ではなく、ひとりの男の姿だった。
「リーゼロッテ……!」
け破る勢いで扉が開け放たれた。イグナーツの腕に収まるリーゼロッテを認めると、ジークヴァルトの眉間のしわが通常の三倍深まった。
「よぉ、ジークヴァルト、邪魔してんぞ。しっかしお前、随分とでかくなったなぁ」
「……イグナーツ様、ご無沙汰しております」
低い低い声音で、ジークヴァルトは丁寧に返した。めずらしく不機嫌を孕んでいるように思えて、リーゼロッテは不思議そうに青の瞳を見上げる。
「イグナーツ様、怖いんで早急にリーゼロッテ嬢を解放してください」
後ろから顔を覗かせたカイが、馬鹿真面目にそんなことを言った。それを受けたイグナーツは、対照的にへらりと笑う。
「何言ってんだ、感動の父娘の再会だろう? ジークヴァルトもそこまで狭量じゃねぇよなぁ?」
「……もちろんです」
「だからマジ怖いんですってば」
顔を青くしているカイをおもしろそうに見やると、イグナーツはようやくリーゼロッテから腕を離した。
「ジークヴァルト、ちょっとこっち来いや」
手招きをして部屋の隅へと誘った。自分より背の高くなったジークヴァルトの肩に腕を回し、顔を下げさせ耳打ちをする。
「ああ、マルグリットは生きている。オレには分かる。小さくても、今もどこかにいるマルグリットの気が……」
リーゼロッテの言えなかった言葉を、そして知りたかった答えを、イグナーツは淀みなく返してくれた。
「オレは必ずマルグリットを取り戻す。奪わせたままになど、絶対にさせない」
鬼気迫る独白に、思わずその顔を凝視する。そこにあったのは父親ではなく、ひとりの男の姿だった。
「リーゼロッテ……!」
け破る勢いで扉が開け放たれた。イグナーツの腕に収まるリーゼロッテを認めると、ジークヴァルトの眉間のしわが通常の三倍深まった。
「よぉ、ジークヴァルト、邪魔してんぞ。しっかしお前、随分とでかくなったなぁ」
「……イグナーツ様、ご無沙汰しております」
低い低い声音で、ジークヴァルトは丁寧に返した。めずらしく不機嫌を孕んでいるように思えて、リーゼロッテは不思議そうに青の瞳を見上げる。
「イグナーツ様、怖いんで早急にリーゼロッテ嬢を解放してください」
後ろから顔を覗かせたカイが、馬鹿真面目にそんなことを言った。それを受けたイグナーツは、対照的にへらりと笑う。
「何言ってんだ、感動の父娘の再会だろう? ジークヴァルトもそこまで狭量じゃねぇよなぁ?」
「……もちろんです」
「だからマジ怖いんですってば」
顔を青くしているカイをおもしろそうに見やると、イグナーツはようやくリーゼロッテから腕を離した。
「ジークヴァルト、ちょっとこっち来いや」
手招きをして部屋の隅へと誘った。自分より背の高くなったジークヴァルトの肩に腕を回し、顔を下げさせ耳打ちをする。