贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
厳しい妃教育も愛する彼の為と思えば苦ではなかった。

王国を統べる天命を持ったオスカー。
艶やかな金髪に切れ長で憂いを帯びたアメジストの瞳。その美しい瞳にいつも映っているのは幸せそうな私だった。

「何か言い残すことはあるか?」

革命の指導者である弱冠十七歳の平民ユリウス。
赤い髪が真っ赤な夕陽に照らされていつもより燃えるように赤い。
まるで太陽のように金色に輝く瞳、人々は彼に希望を見出したのだろう。

「シェリル、何度生まれ変わっても僕は君を愛してる」
「⋯⋯オスカー!」

私の叫びと共に、オスカーの首が切り落とされる。

伏せたまつ毛の長さに、愛し合い繋がったまま彼が寝入ってしまった夜を思い出す。
私は愛する彼を抱きしめながら夜を明かした。

私から見ると、オスカーは十分、国に尽くしていた。彼がどうして国民から罵られているのだろう。

「罪人を裁く」という行為は、人々に神になったような高揚感を与える。

貧しい国民を顧みず財を尽くした事が彼の罪?

私の見てきた彼と国民から見えた彼は全く違ったらしい。

私が断罪される順番が来るとギャラリーはより熱狂した。
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