贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
22.恋をしたら地獄で天国(フレデリック視点)
苦々しい状況から大魔法使いマールスが連れ出してくれたのはありがたかった。シェリルの心はオスカーの元には戻れないだろう。結局、二年も掛かってできたのは二人を引き裂く事だけ。彼女を手に入れることばかりに気を取られた私は結局彼女を酷く傷つけたクズとして拒絶された。
マールスが連れて来たのは、シェリルの為に用意していた皇太子妃用の部屋。
そして、マールスは本当に性格が悪い。
今、一番会いたくて会いたくない人間の姿で、こちらを見つめてくる。
艶やかな銀髪に、ルビー色の瞳。先程、私を冷淡に振ったシェリル。透き通るような白い肌に、惑わすような甘いミルクの香り。再現度が高さが私の心を苦しめた。
シェリルの姿をした彼は天蓋付きのベッドに寝そべると私に手を伸ばしてきた。
「フレデリック、こんな素敵な部屋を私のために用意しておいてくれたの? このベッドもふかふかね。お願いもう一度抱きしめて、早くオスカーを忘れさせて欲しいわ! 今宵は貴方の香りに包まれて眠りたいの」
「おふざけはやめろ。本当に性格が悪いな」
マールスは心が読める上に、性格も醜悪。だから、彼を側に置くのは危険で嫌だった。
マールスが連れて来たのは、シェリルの為に用意していた皇太子妃用の部屋。
そして、マールスは本当に性格が悪い。
今、一番会いたくて会いたくない人間の姿で、こちらを見つめてくる。
艶やかな銀髪に、ルビー色の瞳。先程、私を冷淡に振ったシェリル。透き通るような白い肌に、惑わすような甘いミルクの香り。再現度が高さが私の心を苦しめた。
シェリルの姿をした彼は天蓋付きのベッドに寝そべると私に手を伸ばしてきた。
「フレデリック、こんな素敵な部屋を私のために用意しておいてくれたの? このベッドもふかふかね。お願いもう一度抱きしめて、早くオスカーを忘れさせて欲しいわ! 今宵は貴方の香りに包まれて眠りたいの」
「おふざけはやめろ。本当に性格が悪いな」
マールスは心が読める上に、性格も醜悪。だから、彼を側に置くのは危険で嫌だった。