贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
「ここはバロン帝国ではなく、アベラルド王国です。私を酔わせてしてみたい事があるとしても、ここでは許されませんよ。先程のようなおふざけはやめてください。私に触れて許されるのはオスカー・アベラルドただ一人です」
強く言い放った私に彼は面を喰らった顔をした。
ふと、嫌な予感が過ぎる。フレデリックがこのヘッドリー領地を入り口として、アベラルド王国を侵略しようとしている可能性はないだろうか。
そもそも領主の父でさえ滅多に来ない領地に、バロン帝国が隠れ家まで造っているのが不自然だ。
私は一瞬浮かんだ疑惑に首を振る。私の知る未来に彼は存在しなかった。
馬鹿女のふりは様々な時に使えるが、色恋で迫って来ようとする相手には毅然と対応しなければならない。
私の身も心も、当然この唇も全てがオスカーのものなのだから。
「シェリル嬢の唇が甘そうで食べたくなってしまい本能に抗えませんでした。無礼をお詫びさせてください」
「いいえ、詫びる必要などありません。ただ、ダイヤモンド鉱山の採掘権を譲ってくれれば良いのです」
「採掘権を譲る事で、帝国側に利がありません」
「ありますよ」
強く言い放った私に彼は面を喰らった顔をした。
ふと、嫌な予感が過ぎる。フレデリックがこのヘッドリー領地を入り口として、アベラルド王国を侵略しようとしている可能性はないだろうか。
そもそも領主の父でさえ滅多に来ない領地に、バロン帝国が隠れ家まで造っているのが不自然だ。
私は一瞬浮かんだ疑惑に首を振る。私の知る未来に彼は存在しなかった。
馬鹿女のふりは様々な時に使えるが、色恋で迫って来ようとする相手には毅然と対応しなければならない。
私の身も心も、当然この唇も全てがオスカーのものなのだから。
「シェリル嬢の唇が甘そうで食べたくなってしまい本能に抗えませんでした。無礼をお詫びさせてください」
「いいえ、詫びる必要などありません。ただ、ダイヤモンド鉱山の採掘権を譲ってくれれば良いのです」
「採掘権を譲る事で、帝国側に利がありません」
「ありますよ」