贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。

7.ドレスのプレゼント

アベラルド王宮に向かう二週間の道中で、私とフレデリックの距離は急速に近くなった。
道中、各地を視察して、各地の現状を把握できたのは大きな収穫だ。

早馬で今日着るドレスを何着か王宮に送るように、父にお願いしておいたので今夜のオスカーの誕生日の前夜祭である舞踏会には間に合うだろう。
本当はもう少し早く到着したかったが、朝方、野犬の群れに囲まれたこともあり遅くなってしまった。

王国歴730年11月2日

今日は私の最愛の人の誕生日の前日。前夜祭として舞踏会が開催され、明日は成人の儀がある。

王宮の門の前にまで到着すると、フレデリックが私をエスコートして降ろしてくれた。

「ありがとう。フレデリック。もっと、早く到着したかったわ。入浴もできてないし、野犬にさえ遭遇しなければ良かったのに。私、臭くないよね」
オスカーに臭いと思われたら最悪だ。自分の匂いを嗅ぐ私をフレデリックが笑いながら見つめている。

「大丈夫だよ。シェリルはいつも甘いミルクの匂いがする」

「ミルクって腐ったら臭いじゃない!」
私は軽く彼の胸を叩くと、フレデリックは私の手首を掴む。

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