贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
フレデリックは私がこの贈り物を受け取らない理由を勘違いしている。バロン帝国とヘドリック領地の間にあって、採掘作業の止まっていたダイヤモンド鉱山に勝手に手を出したと私が疑っていると思っているのだろう。
鉱脈の近くに放射性物質がなければグリーンダイヤモンドは誕生しない。だから、このダイヤが緑色の光を放っている時点でルイナ王国の鉱山でとれたものだと分かる。
アベラルド王国はルイナ王国と国交がない。非常に希少で高価なグリーンダイヤモンドのついたドレスを着たら、他の貴族がどのように私がこのドレスを手に入れたかを邪推する。
「そもそも、どうして私のドレスのサイズを知っているのよ」
「一度、抱けば分かるんだ」
誰かに聞かれたら勘違いされそうな言い方をするフレデリックが憎らしい。
「とにかく頂けないわ。せっかく作ってくれたのに、ごめんなさ⋯⋯」
箱を突き返そうとした時に、愛しい人の声がした。出会った頃とは違い声変わりしたオスカーの低く甘い声。声を聞くだけで私のいるべき場所に戻って来たのだとホッとする。
「シェリル! 良いじゃないか、そのドレスを着て今宵は僕と踊ろう」
鉱脈の近くに放射性物質がなければグリーンダイヤモンドは誕生しない。だから、このダイヤが緑色の光を放っている時点でルイナ王国の鉱山でとれたものだと分かる。
アベラルド王国はルイナ王国と国交がない。非常に希少で高価なグリーンダイヤモンドのついたドレスを着たら、他の貴族がどのように私がこのドレスを手に入れたかを邪推する。
「そもそも、どうして私のドレスのサイズを知っているのよ」
「一度、抱けば分かるんだ」
誰かに聞かれたら勘違いされそうな言い方をするフレデリックが憎らしい。
「とにかく頂けないわ。せっかく作ってくれたのに、ごめんなさ⋯⋯」
箱を突き返そうとした時に、愛しい人の声がした。出会った頃とは違い声変わりしたオスカーの低く甘い声。声を聞くだけで私のいるべき場所に戻って来たのだとホッとする。
「シェリル! 良いじゃないか、そのドレスを着て今宵は僕と踊ろう」