贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
11.明かされる真実
膝から倒れ込んだユリシスに駆け寄る。
甘い果物の腐ったような不思議な香りがした。
アベラルド王国の白い近衛騎士の服を着ているが、王宮に潜り込んでいたのだろうか。
回帰前、革命軍にはアベラルド王室の秘密の地下通路も露見していた。騎士名簿に彼の名前を見たことはないが、何度か制服を着て潜入していたのかもしれない。
「シェリル・アベラルド、王宮に戻れ。フレデリック・バロンを信用してはいけない」
ユリシスは血の気の引いた顔で、息も絶え絶えに私に必死に訴えてくる。
彼の首筋あたりが黒く爛れ落ちているのが見えた。
「ユリシス、貴方、首のところ怪我しているの?」
「怪我ではない。これは禁忌の魔法を使った代償だ」
ユリシスはアベラルド王国のスラム街出身だ。この世界で魔法使いが住んでいるのはバロン帝国だけ。帝国は彼らを丁重に扱い囲い込んでいる。ユリシスが魔法を使えたとは初耳だった。
「ユリシスは魔法使いだったの?」
甘い果物の腐ったような不思議な香りがした。
アベラルド王国の白い近衛騎士の服を着ているが、王宮に潜り込んでいたのだろうか。
回帰前、革命軍にはアベラルド王室の秘密の地下通路も露見していた。騎士名簿に彼の名前を見たことはないが、何度か制服を着て潜入していたのかもしれない。
「シェリル・アベラルド、王宮に戻れ。フレデリック・バロンを信用してはいけない」
ユリシスは血の気の引いた顔で、息も絶え絶えに私に必死に訴えてくる。
彼の首筋あたりが黒く爛れ落ちているのが見えた。
「ユリシス、貴方、首のところ怪我しているの?」
「怪我ではない。これは禁忌の魔法を使った代償だ」
ユリシスはアベラルド王国のスラム街出身だ。この世界で魔法使いが住んでいるのはバロン帝国だけ。帝国は彼らを丁重に扱い囲い込んでいる。ユリシスが魔法を使えたとは初耳だった。
「ユリシスは魔法使いだったの?」