【4/24書籍発売】身体だけの関係だったはずの騎士団長に、こっそり産んだ双子ごと愛されています
宿に戻ったら、廊下にまで響く泣き声に出迎えられた。慌てて室内に飛び込むと、双子が揃って号泣しているところだった。目覚めたら知らない場所で、更にライザが不在だったため不安になったのだろう。
「ごめんね、アーラ、パーヴェル。ママはここにいるわ」
「ママ~」
泣きながら抱きついてくる我が子を受け止めて、ライザはタマラに目線だけで謝罪する。普段は懐いていても、見知らぬ環境ではなだめきれなかったらしい。
ぐすぐすと泣きながら再び眠りに落ちた子供たちをベッドに寝かせて、ライザはふうっとため息をつく。この時間に寝かせたら、夜は寝ないことが確定だ。だが、宿で泣き続けられたら周囲の迷惑になってしまう。
今夜は真夜中まで眠れないことを覚悟しつつタマラを見ると、彼女はテーブルの上に食事を並べているところだった。
「子供たちが眠っている間に、食事を済ませちゃいましょう」
「本当にお世話になりっぱなしで……ありがとうございます。タマラさんがいなかったら、二人を連れて王都に来ることなんて絶対できなかったです」
「子連れでの長距離移動は大変だものね。少しでも助けになったなら、よかったわ。そうそう、わたしもあとで少しだけ買い出しに行ってきてもいいかしら」
「もちろんです」
「遅くなるかもしれないから、ライザちゃんは先に休んでいてね」
食事を終えたタマラは、そう言って部屋を出て行った。
ライザは双子がまだ眠っていることを確認すると、鞄の中から新聞を取り出した。宿のロビーに置かれていたものを、一部もらってきたのだ。
聖女の結婚についてなにか情報がないかと目を凝らすが、記事は見つからない。イグナートの名前も、どこにもなかった。
「……でも確かにヴェーラ様の結婚が、って言ってたもの」
先程聞いた男たちの話を思い出しながら、ライザはつぶやく。相手がイグナートだと決まったわけではないが、恐らくそうだろうという気はしている。ヴェーラはイグナートのことがお気に入りだったし、旅の様子を告げる新聞にも護衛騎士と聖女が仲を深める様子が詳細に記してあった。
二人の結婚が確定だと知ったところで、ライザにはなんの関係もない。なのにどうしてこんなに情報を収集してしまうのだろう。
「情けないわね……。もう、関係のない人なのに」
痛む胸を押さえて、ライザはベッドの上で眠る我が子を抱き寄せた。この二人がいれば、ライザは生きていける。それで充分だ。
「ごめんね、アーラ、パーヴェル。ママはここにいるわ」
「ママ~」
泣きながら抱きついてくる我が子を受け止めて、ライザはタマラに目線だけで謝罪する。普段は懐いていても、見知らぬ環境ではなだめきれなかったらしい。
ぐすぐすと泣きながら再び眠りに落ちた子供たちをベッドに寝かせて、ライザはふうっとため息をつく。この時間に寝かせたら、夜は寝ないことが確定だ。だが、宿で泣き続けられたら周囲の迷惑になってしまう。
今夜は真夜中まで眠れないことを覚悟しつつタマラを見ると、彼女はテーブルの上に食事を並べているところだった。
「子供たちが眠っている間に、食事を済ませちゃいましょう」
「本当にお世話になりっぱなしで……ありがとうございます。タマラさんがいなかったら、二人を連れて王都に来ることなんて絶対できなかったです」
「子連れでの長距離移動は大変だものね。少しでも助けになったなら、よかったわ。そうそう、わたしもあとで少しだけ買い出しに行ってきてもいいかしら」
「もちろんです」
「遅くなるかもしれないから、ライザちゃんは先に休んでいてね」
食事を終えたタマラは、そう言って部屋を出て行った。
ライザは双子がまだ眠っていることを確認すると、鞄の中から新聞を取り出した。宿のロビーに置かれていたものを、一部もらってきたのだ。
聖女の結婚についてなにか情報がないかと目を凝らすが、記事は見つからない。イグナートの名前も、どこにもなかった。
「……でも確かにヴェーラ様の結婚が、って言ってたもの」
先程聞いた男たちの話を思い出しながら、ライザはつぶやく。相手がイグナートだと決まったわけではないが、恐らくそうだろうという気はしている。ヴェーラはイグナートのことがお気に入りだったし、旅の様子を告げる新聞にも護衛騎士と聖女が仲を深める様子が詳細に記してあった。
二人の結婚が確定だと知ったところで、ライザにはなんの関係もない。なのにどうしてこんなに情報を収集してしまうのだろう。
「情けないわね……。もう、関係のない人なのに」
痛む胸を押さえて、ライザはベッドの上で眠る我が子を抱き寄せた。この二人がいれば、ライザは生きていける。それで充分だ。