【書籍化決定】身体だけの関係だったはずの騎士団長に、こっそり産んだ双子ごと愛されています
イグナートが浄化の旅に同行することが決まった時は、どうして自分がと激しく落ち込んだ。
聖女ヴェーラがイグナートの顔を気に入っていることは理解していたし、それ故にこの旅のメンバーに抜擢されたことも分かっていた。なんて面倒な役割をとげんなりしたものだが、旅路での一番の危険は魔獣による襲撃だ。魔獣討伐におけるプロであるイグナートが選ばれるのも、無理はない。
他にも候補に挙がっていた騎士は何人かいたが、挙式を控えていたり子供が生まれたばかりだったりしたので、年単位で不在にしても問題ないのはイグナートだけだった。
イグナートもライザとの結婚をそろそろ本格的に考えたいと思っていたのだが、交際を公にしていないのでそれを理由にすることはできなかった。
出発の前日にようやく会えたライザと、別れを惜しむように身体を重ねた。このまま時が止まればいいのにと心の底から思ったが、国を守ることはライザを守ることにも繋がると自分に言い聞かせていた。
許された時間ギリギリまで一緒に過ごし、待っていてほしいという言葉一つで、イグナートはライザと未来の約束を交わした気でいた。それがどれほど傲慢な考えだったのか、気づくこともなく。
少しでも早く旅を終えたいという一心で、できる限り移動時間を短縮したし、そのおかげで旅は三年ちょっとで終了した。
ライザに心配をかけるわけにはいかないから、自分が怪我をしないように気をつけ、もちろん聖女の護衛もしっかりとこなした。
ひたすら道中の安全確保に専念するイグナートを見て、ヴェーラは最初のうちは不満そうにしていた。『あなたのいいところは顔だけね』なんて言われたのも、その頃だ。聖女として、王女としてちやほやされてきた彼女は、イグナートも同じように接してくれると期待していたのだろう。
旅を続けるうちに、自分の浄化の力によって人々がどれほど救われているかを理解した彼女は、浮ついたことは言わなくなっていった。甘やかされて育ったとはいえ、ヴェーラの人々を守りたいという気持ちは確かだ。真面目に自分の仕事をこなしていくヴェーラとは、同じ目的を共にする仲間として親しくなった。相変わらず、いいのは顔だけだと言われるが。
聖女ヴェーラがイグナートの顔を気に入っていることは理解していたし、それ故にこの旅のメンバーに抜擢されたことも分かっていた。なんて面倒な役割をとげんなりしたものだが、旅路での一番の危険は魔獣による襲撃だ。魔獣討伐におけるプロであるイグナートが選ばれるのも、無理はない。
他にも候補に挙がっていた騎士は何人かいたが、挙式を控えていたり子供が生まれたばかりだったりしたので、年単位で不在にしても問題ないのはイグナートだけだった。
イグナートもライザとの結婚をそろそろ本格的に考えたいと思っていたのだが、交際を公にしていないのでそれを理由にすることはできなかった。
出発の前日にようやく会えたライザと、別れを惜しむように身体を重ねた。このまま時が止まればいいのにと心の底から思ったが、国を守ることはライザを守ることにも繋がると自分に言い聞かせていた。
許された時間ギリギリまで一緒に過ごし、待っていてほしいという言葉一つで、イグナートはライザと未来の約束を交わした気でいた。それがどれほど傲慢な考えだったのか、気づくこともなく。
少しでも早く旅を終えたいという一心で、できる限り移動時間を短縮したし、そのおかげで旅は三年ちょっとで終了した。
ライザに心配をかけるわけにはいかないから、自分が怪我をしないように気をつけ、もちろん聖女の護衛もしっかりとこなした。
ひたすら道中の安全確保に専念するイグナートを見て、ヴェーラは最初のうちは不満そうにしていた。『あなたのいいところは顔だけね』なんて言われたのも、その頃だ。聖女として、王女としてちやほやされてきた彼女は、イグナートも同じように接してくれると期待していたのだろう。
旅を続けるうちに、自分の浄化の力によって人々がどれほど救われているかを理解した彼女は、浮ついたことは言わなくなっていった。甘やかされて育ったとはいえ、ヴェーラの人々を守りたいという気持ちは確かだ。真面目に自分の仕事をこなしていくヴェーラとは、同じ目的を共にする仲間として親しくなった。相変わらず、いいのは顔だけだと言われるが。