私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
あたしは皆と違って頭がよくないから何を聞くべきか分からない。そもそもそんな話になっていたのもなんとか理解しようとしてる段階だし・・・。


頭がパンクしそうなあたしにまたまた龍二くんが耳打ちをして教えてくれる。


「ここで明確にしておくべき事は何故西について詳しいのかということと、何故東に来たかという2つ、だな」


な、なるほど・・・。


確かにトップとしてはそこは確認しておかないといけないよね。西について詳しい理由はましろちゃんが情報屋だから、だと思うしここは・・・、


「東に来た理由を話せ」


になるのかな・・・?


ましろちゃんの方をちらりと見ればうっすらと笑みを浮かべててこうなることも予想済みだったりするんだろうか。


「疲れちゃったのよ」




「疲れた?」


誰かの言葉に頷いてましろちゃんは目を瞑る。


「そう、それで誰も私の事を知らない所に行きたかったの。あの家は東にあるしヒメが旭ヶ丘の理事長ということもあって丁度良かった。・・・本当は高校入学と同時に通う予定だったけど、前の学校を辞めるのは簡単じゃなくて」


ほんと、これだけ。


「大それた理由じゃなくてごめんなさいね?」


「・・・ましろちゃんはどうして情報屋さんをしてるの?」


一個だけって言ってたけど聞いていいのかな・・・。


恐る恐る口にすればんー、と考える素振りをする。
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