私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
「わかった。あの、他の連中もご主人様の事心配しててそれで、客室に泊まって貰ってるんだけど・・・」


「わかったわ。ありがとう、対応してくれて」


嫌がると思ったのか珍しく不安そうな顔を浮かべるこの子に対して安心させるように頭を撫でる。


部屋に何度も出入りされるのだけは嫌だがそこは配慮してくれてるだろうし。依頼の書類にはきちんと布を被せてあったしな。


文句なんざ何一つないさ。


それが伝わったのか嬉しそうに目を細める。


「私も水飲んだらまた寝るから、おやすみ」


「うん、おやすみなさい」





優里の事は皐月に任せ、一階に降りる。


キッチンに行こうとリビングに向かえば何やら話し声のようなものが聞こえる。


「何してるの」


いくら物音を消したってバレる事は避けられないのだからとソファに座る金髪の人物に声をかけた。


「悪い、起こしたか」


「いいえ、私は水を飲みに来ただけだから。それよりも何してたの?」


「台本の確認」


「ああ、劇の。それは邪魔したわね」


「眠れなかったし丁度いいと思っただけだ。気にするな」


「そう」


私は気にしないことにしてそのまま水道の蛇口を捻り水を出す。
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