私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

16章.新たな出会い

side,優里


「席につけー」


先生の声が聞こえて教室にいる皆が自分の席に戻っていく。


今日は夏休みが終わって初めての登校日。夏休みも楽しみだったけど二学期は体育祭とか文化祭とか、楽しい行事が待ってるから今日が楽しみであんまり寝れなかった。


ましろちゃんに話したら新学期で前日寝れなくなる人初めて見た、って言われちゃったけどそれはましろちゃんとも過ごせるからなのになぁ。


本人は教室に着いて早々机の上で寝ちゃったんだけど・・・。


少し顔色悪かったような気もするし寝れてない、のかな。情報屋さんのお仕事大変なのかな・・・。


こほん、と咳払いが一つ。





「皆も驚くと思うが今学期からまた一人、転入生が加わる事になった」


山口先生の言葉に文くんと顔を見合わせる。


また・・・?しかも同じクラス?


旭ヶ丘は一学年5クラスある。そしてC組はましろちゃんが転入してきたから他のクラスより人数はいる方。


だから人数が少ないクラスに決まるのが普通なんじゃないかと思うんだけど。


なのにまたC組に来るなんて、考えすぎなのかな。


いやいや、考えすぎな事は無いはず!だって今回も転入生が来るなんて知らなかったもん!


念の為皆に連絡を入れて動きをじっと待つ。


「入って来てくれ」


先生の言葉を合図に教室のドアが開かれる。
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