私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
動きやすくするためかいつも下ろしている髪は二つ結びになっており可愛い。素直にそう感じたから口にしただけなのに。


つい頬も緩んでしまっただけなのに。


「なっ、」


顔を逸らされた?


優里に・・・?


初めての事でショックなんだが。


「ご主人様、悪い意味ではないから気にしないでいいよ」


「・・・そうなの?」


「綾波すげーな。俺面と向かってそんなこと言えねーや」


「ご主人様は顔がいい自覚はあるけど、それだけなんだよね。自分の言動でどんな被害が出るかは理解できてないの。あんた達の事は好きじゃないけど、その点は同情する」


どこからか取り出したお菓子を口にしながら説明する皐月に二人は首を振る。


優里に至っては暫く顔見れないかも・・・などと言い始める始末だ。


なんだよ見れないって。


名前を呼んではいけないあの人の亜種か何かで?


「パン食い競走に参加される人はこちらに移動してくださーい!」


「あ、あたし行くねっ!」


逃げ足早っ。


「優里!」


「・・・?」


「頑張って!」


「〜っ」


コロコロと表情を変えた後に腕を大きく振りながら実行委員の元へ駆け寄る姿に満足する。


私も優里に弱いように、優里も私に弱いらしいからな。


「・・・ご主人様、僕も」
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