私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
side,優里


綱引きなんかの全員参加の競技を主に午後の部は進められていく。


同じ色の皆と競ったり応援したり、とても楽しいけど、あたしがやらかさないか心配してる学年リレーが近づいてる訳で・・・。


小刻みに揺れるあたしをましろちゃんがツンツンと突っつく。


「マナーモードみたい」


「口数も減ってるしねー」


「言い得て妙ですね」


だって緊張するんだもんっ!!!


そんなあたしを見てましろちゃんは微笑ましく可愛いなんて口にするし。


か、可愛くなんてないよっ!


うー、ましろちゃんの可愛いの基準が分かんないよ。


なんでも可愛いって言ってくれそう・・・。


そんな事言えば真顔で肯定されそうで聞けないけど。





『2年生の学年リレーに出場される方は移動してください』


「ぴゃっ!?」


1年生が移動を始めたタイミングで放送がかかる。


色々考えて集中してたから変な声出ちゃったっ。


自分の意思通りに動いてくれない手足をなんとか動かして前に進む。今ならロボットみたいな機械音が聞こえてきそうだよ・・・。


「一番目と三番目、五番目に走る方はこのまま待機です。二番目、四番目で走る方はこちらにいる実行委員の指示に従い移動してください」
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