私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
あ、ましろちゃん行っちゃうんだ。


不安だなぁ・・・。


「優里」


「なーに?」


「大丈夫よ、優里はまっすぐ私の所に来る事だけを考えてればいいから。じゃあね」


髪が崩れないように撫でてくれたましろちゃんは橘さんと一緒に離れて行く。


それなのに、全然寂しくなくて。


言葉だけでこんなに満たされることあるんだね・・・。


「春野、顔真っ赤だけど大丈夫?」


「だ、大丈夫!」


心配して顔を覗く委員長と文くんに慌てて返事をする。そんなに顔に出てたかなぁ。


だけど、嬉しくなったのは本当だから。


ハチマキの上からましろちゃんが撫でてくれた箇所にそっと触れる。


よし、頑張ろっ。





「委員長頑張って!」


「頑張れよ!」


「うん、期待に添えるよう頑張るよ」


1年生が走り終わって今度はあたし達の番。


残りの種目で学年リレーが一番ポイントが高いから周りの応援も今日で一番大きいんじゃないかな。


負けずに文くんと一緒にスタート位置につく委員長を応援する。


「それでは位置についてよーい!どんっ!」


一番手の委員長。恐らく本人よりも緊張しているあたしを他所にあっさりとスタートが切られ、慌てて指示に従って位置につく。


よ、良かったぁ・・・。


一緒に走る人女の子が多い。
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