私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
「もちろんこの中にいるとは考えていない。綾波と橘もだ。理由は無いのはもちろん、こちらが対応できる範囲での被害しか出ていないのが証拠だ」


皇達もその点には早い段階で気付いていたのだろう。


確かにこの中に裏切り者がいれば、いくらでもやりようはある。


それこそ攫う際には、すぐに通知を飛ばせる携帯からどうにかするだろうしな。


私にもその情報を共有しているのはいただけないが、その点も信頼してもらえる理由になるんだろうか。


恐らく旭ヶ丘の人間なんだろうが、これはこれで困る。なにせ生徒だけでも200は超えるのだから。


見当をつけるにしても相手の情報が足りなすぎるな。





私の中では一人の人物が思い浮かんでいるものの、決め手に欠ける。


こんな曖昧なまま共有をして振り回すのは如何なものか・・・。


しかし西も絡んでくる話だ。


西──いや、キョウが東にまで手を出す理由に少なからず私も絡んでいるはずだ。


だって、アイツも私もお互いのことを殺したい程に憎んでいるんだから。


その事についても話しておきたいが、そうなるとどこから話すべきか・・・。


少なからず私の過去について伝えるべきだろうが私にはまだそんな覚悟はない。





一つの不安要素を残し、体育祭はこうして幕を閉じた。
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