俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
高そうなスーツは着慣れた感じがするし、仕事ができそうな雰囲気も醸し出している。

美女の方から寄ってきそうな彼に狙われるとは思えなかった。

やはりと言うべきか、眉間に皺を刻まれる。

「君のような女はいらない」

(わかるけど、言い方が)

傷心中なのだから少しは言葉を選んでほしい。

弱気になっている今は言い返せず、うつむくしかできなかった。

「泣くな。男に依存して恋愛に振り回される女にうんざりしているだけで、君という人間を否定しているわけじゃない。少なくとも、展望台から叫んでいた時の君は悪くなかった」

「展望台? あっ……」

昨日の昼間に自由の女神の展望台に上ったのを思い出した。

ノリのいいブラジルからの観光客の女性ふたり組に声をかけられ少しの間だけ行動を共にしたのだが、その人たちが窓から外に顔を出し母国語でなにかを叫んでいた。

『ああ、気持ちいい。スッキリするから、あなたもやってみて』

そう言われて梨乃も真似をした。旅の恥はなんとやらだ。

『可愛げがなくて悪かったわね! 勇大なんかいなくても、笑って生きていけるんだからー!』

まさか、あれを聞かれていたとは驚きだ。昨日のことがあったから、今日は余計に梨乃が気になって助けに入ってくれたのかもしれない。

「自由の女神にいたんですか。仕事で来たと言ってませんでした?」

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